コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(7)

2020.3.7

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログ第7回です。(3月15日(日)まで毎日更新する予定)
本日は昨日に引き続き、第2章「描かれた横浜港 1940~80年代」からの1点です。

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■きょうの1点

國領經郎(1919-1999)

《完成近いベイブリッジ》1988年 油彩、キャンバス 80.4×116.7cm


横浜生まれの國領は、1939年東京美術学校(現・東京藝術大学)師範科に進学。戦争のため同校を繰上げ卒業後に新潟県柏崎市で教員となり、従軍・復員後も同市で教鞭を執りながら作品の発表を始めました。後に東京を経て横浜に転居、1968年から1985年まで横浜国立大学で後進の指導にあたりました。1950年代中頃から60年代に取り組んだ独自の点描表現を経て、70年代から砂丘をテーマの中心に据え、より緻密でシュルレアリスティックな表現に没頭していきます。
本作は1988年「横浜百景展」のため描かれました。建設中の横浜ベイブリッジを望み、明け方にも夕方にも見える空の色が波静かな海面に映っています。人気のない静寂な雰囲気が超現実的な印象を与えます。

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