6月3日より開催した「古典技法をまなぶ-金箔技法とテンペラ描画」。
全6回の講座を2回に分けてレポートします。
この講座は昨年に続いての開催となった人気講座で、今年は、8cm×8cmのイニシャル1文字と枠の部分に金箔を貼り、背景の模様をテンペラ描画で着彩することに挑戦しました。
1回目 6月3日
初めに講師の上野淑美先生からテンペラ技法についてのレクチャーを受けました。
最初の作業で、木の板に下地となるジェッソを塗ります。
状態を見ながら8層塗り重ねていきます。
上野先生の絵画修復スタジオのスタッフの方もいらして丁寧に指導してくださいました。
下地を乾かしながら、先生が用意してくれた図案を参考にデザインを考えます。蔓(つる)の装飾には色々な法則があるようです。蔓が交差する部分は組み紐のように上下に交互に重なるようにデザインされています。
2日目 6月10日
先週塗ったジェッソを紙やすりで平らに削ります。
紙やすりは3段階用意されていて、段々細かい目のものにしていきます。
ジェッソを塗った板に図案を写します。
目打ちで文字の輪郭を削ってから、文字の部分をジェッソで盛りあげます。
3日目 6月17日
横から光線をあて、凹凸を見やすくして盛り上げた文字の部分のジェッソを削り整えます。皆さん集中して作業を進めていました。
文字が整ったら、文字と枠の部分(後に金箔を貼る部分)にボーロという朱色の下地を塗ります。ボーロを塗ることであたたかみのある金色になるそうです。
3日目の工程はこれで終了。次回はいよいよ金箔貼りです。