子ども事業・インターン活動レポート:「工作ワークショップ」の企画と実施

2022.3.5

横浜市民ギャラリーでは、次世代の育成と体験の場の提供を目的に、2018年より学生インターンを受入れています。

 

今年度は、子ども向け事業について学ぶインターンシップに4名が参加。夏に開催された「横浜市こどもの美術展」(会期: 〜 や通年の子ども向け講座「ハマキッズ・アートクラブ」での現場実習などを通じて、年間で研修を行いました。

 

これまでの活動記録 ―――

5月:オリエンテーション

 

「横浜市こどもの美術展2021

7月:会場内「写真さつえいコーナー」設営(写真左)

8月:関連イベント おうちでワークショップ「オリジナルメダルをつくろう!」運営(写真右)

 

子どものためのアトリエ講座「ハマキッズ・アートクラブ 2021年度」サポート

7月:「アートリンピックスポーツを等身大アートで表現しよう!」切取り作業(写真左)

12月:「森のペンとノートをつくろう」仕上げの装丁作業(写真右)

 

20221月:出張ワークショップ「ちょうちんをつくろう!」

【横浜・紅葉ケ丘まいらん連携事業】

 

2021年5月~12月まで様々な子ども事業の現場を体験し、その集大成として2022年1月にインターン生自身が企画した「工作ワークショップ」を開催しました。以下、その準備から当日までの様子を担当スタッフがレポートします!

 

 

(さらに…)

ハマキッズ・アートクラブ「森のペンとノートをつくろう」レポート

2022.1.6

2021年12月12日、ハマキッズ・アートクラブ「森のペンとノートをつくろう」を開催しました。講師は日本画家の泉桐子さん。小学1~3年生13名が参加しました。

今回つくるのは、森のペンとノートの二つ。まずは木の枝を削ってすてきなペンをつくり、次に自分でつくった道具を使って絵を描き、ノートカバーにします。二つもあるなんて、なんだかちょっと大変そう?!

ペンをつくるため、今回は小刀を使います。ほとんどの参加者は小刀を使うのが初めて。「ものをつくる前には、しっかり準備体操するといいですよ!」と泉先生。みんなで手をグーパーグーパーと動かします。


最初は練習で割りばしを削ってみます。力の入れどころが難しい!コツをつかむと段々上手になってきました。


そして本番の森のペン。みんなのために、泉先生がクヌギやサクラなど自然の木の枝を拾って準備してきてくださいました。いろんな太さや形があって選ぶのも楽しい!テンションが上がります。


ペンの先端を削っていきます。割りばしと違って、ちょっと木が固い!みんな疲れながらも自分の納得がいく形になるまで頑張って削りました。


マスキングテープで飾りをつけたら、森のペンが完成です。
今度はペンに墨汁をつけて絵を描いていきます。どんなふうにペンを使うとよいか先生のお話を聞いたら、さあ描いてみよう!




自分でつくったペンの書き味はどうでしょう?墨の風合いも相まって、強弱のある味わい深い線になります。しっかり墨を乾かし、色を塗りたい人は塗ります。


絵が完成したら最後の仕上げ、ノートカバーに仕立てましょう。担当は横浜市民ギャラリーのインターンの学生さんたち。子どもたちから「ここの絵が見えるようにしたい!」といったオーダーを聞きながら、頑張ってくれました。





世界に一つの自分だけのノートが完成!最後までおつかれさまでした。おうちでも森のペンを使って、またステキな絵を描いてくださいね。

コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(14)

2020.3.14

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログ第14回です。
(3月15日(日)まで毎日更新)

本日は3月8日のブログ(8)に続き、鑑賞サポーターによる「作品に描かれたスポット紹介 後編」 をお届けします。

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■ 鑑賞サポーターによる「作品に描かれたスポット紹介」後編

コレクション展で作品とお客様をつなぐ役割をしている鑑賞サポーター(ボランティア)が、「うつし、描かれた港と水辺」展の作品のなかに登場する横浜のスポット紹介を執筆しました!どうぞご覧ください。
※スポット紹介前編(1.横浜赤レンガ倉庫~3.横浜税関)や鑑賞サポーターの活動概要については、3月8日のブログに掲載しています。





4. 山下公園

バラ園がきれいな山下公園 撮影:鑑賞サポーター

山下公園は関東大震災で発生した瓦礫の埋め立て地を整備して、1930年に開園した国内初の臨海公園です。戦後15年間米軍に接収されますが、その後の横浜マリンタワーの建築や日本郵船氷川丸の係留、「未来のバラ園」造園などの再整備により、公園界隈は横浜屈指の観光地として賑わっています。大さん橋から山下ふ頭に至る全長800mの海辺のプロムナードには、在日インド人協会寄贈の「インド水塔」、「赤い靴はいてた女の子像」、サンディエゴ市寄贈の「水の守護神」など、海外との交流を感じさせる記念碑も点在し、見所となっています。

[サポーターおすすめポイント!]
本展出品作の石踊紘一《インド追想》に描かれているインド水塔をぜひ訪れてみては?


5. 横浜ベイブリッジ

間近に臨む横浜ベイブリッジ  撮影:鑑賞サポーター

1960年代、横浜港はコンテナ船の時代を迎え道路渋滞が激しくなりました。その緩和のため、横浜ベイブリッジは1980年に着工、1989年9月27日に開通しました。本牧ふ頭と大黒ふ頭を結ぶ全長860mの斜張橋(吊り橋)は、世界最大級です。主塔を2基建て、ケーブルを張り橋桁を支えています。本展出品作には建設中の写真や絵が数点あり、横浜ベイブリッジが横浜の新たな開発の発端となったことがうかがえます。日没後はライトアップされ、横浜港の夜景を演出しています。21世紀への現代的な歩みを象徴する軽やかで優美な、未来へ向けての橋といえるでしょう。

[サポーターおすすめポイント!]
本展出品作は1988年の横浜百景展にあわせて制作されたので、ベイブリッジは建設中です。


6. 大黒大橋

現在は白い大黒大橋 撮影:鑑賞サポーター

山下公園付近からの大黒大橋(画面中央あたり) 撮影:鑑賞サポーター

鶴見区大黒町と横浜港の一大物流拠点である大黒ふ頭を結ぶ大黒大橋は、1971年から3年かけて建設されました。現在は白い斜張橋ですが、当初は朱色に塗装されており、本展出品作にもその姿が描かれています。歩道もあるため、1980年代には釣り人も見られましたが、現在は横浜港やみなとみらい21とともに富士山を眺める絶景スポットとして人気があり、その眺望は関東の富士見百景に選定されました。隣接する横浜ベイブリッジや鶴見つばさ橋より認知度は低いですが、歩いて渡れば、その振動と海を見下ろす恐怖感を味わえる稀有な橋といえるでしょう。

[サポーターおすすめポイント!]
大黒大橋からの港風景を体感した後、反対岸から風景の中にこの橋を見るのもおすすめ!


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■ きょうの1点 mini

林 敬二(1933年生まれ)

《横浜港》1988年 油彩、キャンバス 91.0×116.0cm

今回の展覧会のメインビジュアルにもなっている本作には、建設中の横浜ベイブリッジと、その左手に朱色の大黒大橋(現在は上の写真のように白色)が小さいながらもしっかりと描かれています。
この作品は1988年の「横浜百景展」のために制作されました。林は当時、横浜駅の待合室の一番海側からの風景が気に入り、写真を撮って忠実にこの絵を描いたそうです。3月5日のブログ(5)でご紹介した小野肇≪横浜駅と港を望む≫は、同時期に横浜駅付近から撮影されており、林の作品に描かれた風景と見比べてみるとおもしろいです。

今回の展覧会にあわせて収録した、林敬二インタビュー映像もぜひご覧ください
インタビューアーカイブ

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明日はいよいよコレクション展ブログ最終回。どうぞ最後までおつきあいください!

コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(8)

2020.3.8

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログ第8回です。
(3月15日(日)まで毎日更新予定)

本日3月8日は、本来であれば「鑑賞サポーターによるトーク」の開催日でした。ということで、今日のブログではサポーター活動の様子をご紹介したいと思います。

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■ 鑑賞サポーターの活動


当館のコレクション展では、毎年鑑賞サポーター(ボランティア)が活躍しています。この活動は2017年から始まり、今年度で4回目。毎回メンバーを募り、コレクション展が始まる前の年明け1月から約2か月にわたって研修を行います。作品や作家について調べて理解を深め、それぞれの経験をもとに身近な視点で作品の魅力を伝える活動を行ってきました。鑑賞サポーターは、作品と来館者のみなさんをつなぐ役割を担う存在となっています。


今年度は8名のメンバーが参加し、4回の研修を行いました。

今回のコレクション展では

(1) 展示作品の中に登場する横浜のスポットの紹介文を執筆し、会場にパネルで掲示すること
(2) 鑑賞サポーターがそれぞれのおススメ作品を紹介する「鑑賞サポーターによるトーク」を実施すること

という2つの目標にむかって活動を進めてきました。


研修はグループワークで行いました。2グループにわかれ、どの作品についてトークするか話合ったり・・・


調べたことをまとめて原稿を書いてきたら、お互いに読みあい、修正して紹介文を仕上げました。横浜のスポット紹介を書くからには!と、多くのメンバーが現地まで足を運んで情報収集もしました。


作品図版を前にトークの練習も。みんなで「ここがいいね」「ここは直したら?」と意見しあって進めていきました。



■ 鑑賞サポーターによる「作品に描かれたスポット紹介」前編


メンバーもスタッフも楽しみに準備してきた「鑑賞サポーターによるトーク」は今回残念ながら実現できませんでしたが、<鑑賞サポーターによる「作品に描かれたスポット紹介」パネル>は無事完成しました!その内容を2回にわけてご紹介しますので、どうぞご覧ください。




1. 横浜赤レンガ倉庫

撮影:鑑賞サポーター

多くの観光客が訪れる近代産業遺産である横浜赤レンガ倉庫は、明治末期に最新鋭の倉庫として着工されました。当時は人や物流の拠点として賑わいましたが、関東大震災で被災し、戦後は連合国軍に接収。後に再び倉庫として利用されましたが、コンテナ輸送の台頭にともない、1989年に廃止になりました。その後、横浜市は新港地区のシンボルである赤レンガ倉庫を中心に、歴史と景観を活かした街づくりを進めました。本展出品作から赤レンガ倉庫周辺の1970~80年代における港の変遷がみえてきます。

[サポーターおすすめポイント!]
横浜港を見守る横浜のシンボル・赤レンガ倉庫は、青い空に映える姿が印象的です。

2. 横浜港大さん橋国際客船ターミナル

撮影:当館スタッフ

横浜開港の象徴・大さん橋は、166年前この地にペリーが来航し、のちにできた波止場の防波堤「象の鼻」に端を発します。1894年に457mの鉄桟橋が完成すると、貿易で横浜の発展に貢献しました。関東大震災や戦争を経て、客船氷川丸が米シアトル航路に復帰、ブラジル丸が中南米への移住者を乗せるなど、多くの外国客船が運行し、大さん橋は見送りの客で溢れ返りました。当時は海外への玄関口として夢と希望を乗せ世界各地を結び、豪華客船や外国人の見学に2万人が詰めかける活況の時代でした。増改築を重ね、7代目の現在もクルーズ客船が多数寄港しています。

[サポーターおすすめポイント!]
大さん橋は、まさに横浜の発展と人々の喜び悲しみを見守ってきた港の原点!

3. 横浜税関(旧神奈川運上所)

撮影:鑑賞サポーター

イスラム風の緑青色のドームを持つクイーンの塔と呼ばれる庁舎は、キングの塔(神奈川県庁本庁舎)・ジャックの塔(横浜市開港記念会館)とともに「横浜三塔」として親しまれています。完成時には横浜で最も高い建物で、印象的な意匠から絵画等の題材とされることが多く、本展でも数点見られます。前身は江戸幕府の「神奈川運上所」。1859年横浜港の開港に合わせて関税徴収などのために現在の県庁敷地内に開設後、明治政府に引き継がれて1872年に「横浜税関」と名称変更。1934年に現在地に移転し、関東大震災の復興事業として建築されました。

[サポーターおすすめポイント!]
横浜三塔を一望できるスポットが大さん橋と赤レンガ倉庫にあります。


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■ きょうの1点 mini

天笠義一(1921-2007)

《横浜港》1982年 油彩、キャンバス 97.8×130.8cm
この作品の解説はこちら

こちらの天笠義一の作品には、上記にご紹介した横浜赤レンガ倉庫と横浜税関が描かれていますね。当館の所蔵作品には横浜風景を描いたものが多く、こんなふうに作品のなかにいろいろなスポットを探し、その歴史をたどってみるのも楽しいものです。
サポーターによるスポット紹介と、本ブログでご紹介する作品、ぜひあわせてご覧になってください!

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サポーターによるスポット紹介[後編]は、3月14日のブログでお届けします。どうぞお楽しみに。