コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(4)

2020.3.4

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログ第4回です。(3月15日(日)まで毎日更新する予定)
本日も引き続き、第1章「写真でみる戦後―昭和のミナト 横浜」からの1点です。

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■きょうの1点

浜口タカシ(1931-2018)

《最後の移民船》1973年 ゼラチン・シルバー・プリント 36.7×49.9cm


静岡県生まれ。1955年に横浜に移住。1956年日本報道写真家連盟に加入。1966年に横浜美術協会会員、1969年に二科会神奈川支部の支部会長など、横浜の写真文化の発展に寄与し写真家の指導にも尽力しました。報道写真家として、東京オリンピック、安保闘争、公害問題、中国残留日本人の記録など、歴史に残る出来事を記録する一方で、生活拠点のある横浜の移り変わりを写し続けました。本作は、1973年2月に最後の南米移民船「にっぽん丸」が横浜港を出港する際に撮影されました。大量の紙テープが岸壁と船を結びながら絡み合う様子は、歴史的瞬間を伝えるとともに、見送る人と見送られる人との情緒あふれる別れの光景を想像させます。

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横浜市民ギャラリーでは、コレクション展2018「写真と素描でたどる横浜 1950-1980年代を中心に」に合わせて、浜口タカシ氏のインタビューを収録しました。インタビュー動画は、インタビューアーカイブからご覧いただけます。ぜひご覧ください!
インタビューアーカイブ→https://ycag.yafjp.org/our_exhibition_archive/interview-archive/