コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(3)

2020.3.3

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログ第3回です。(3月15日(日)まで毎日更新する予定)
本日も引き続き、第1章「写真でみる戦後―昭和のミナト 横浜」からの1点です。

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■きょうの1点

常盤とよ子(1928-2019)

《赤線地帯―横浜》1955年 ゼラチン・シルバー・プリント 25.4×39.1cm


常盤は横浜市生まれ。1950年に女学校を卒業し一時はアナウンサーを目指しますが、翌年後に夫となる奥村泰宏と出会い写真の道に進みます。リアリズム写真運動の影響を受けたことから、同時代に生きる女性の姿を通じ社会状況を写しとるようになり、1956年にファッションモデルや女子プロレスラーなど、さまざまな職業の女性を撮った写真の個展で注目されます。常盤は同時に1958年に廃止された赤線地帯で生きる女性たちを被写体とし ました。常盤は彼女らが働き生活を営む場に幾度も通い、次第に信頼関係を築きました。自身も女性だからこそ撮影しえた、時代の証言としてもたいへん貴重な作品です。

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横浜市民ギャラリーでは、コレクション展2017「季節をめぐる」に合わせて、常盤とよ子氏のインタビューを収録しました。インタビュー動画は、インタビューアーカイブからご覧いただけます。ぜひご覧ください!
インタビューアーカイブ→https://ycag.yafjp.org/our_exhibition_archive/interview-archive/