2020.3.18
彫刻家の松本隆さんを講師に迎えて「人体を描く―クロッキーとデッサン」を開催しました。
初回:1月16日
始めに松本さんが鉛筆や木炭の使い方のレクチャーをして、すぐに女性モデルのクロッキーがはじまりました。クロッキーをしている最中も松本さんのアドバイスがありました。
腰骨の左右どちらが上がっているか見ます。どちらの足に重心が置かれているのかも重要です。
モデルを見て感じることを描くとよいそうです。
2回目:1月23日
この日は女性モデルのデッサンです。
始めに5分ポーズを4種類描いて、その中から多数決で固定ポーズを決めます。
画面に対して、頭は入りきらなくても足は入るようにすると絵が安定します。
3回目:1月30日
男性モデルのデッサンです。
前回と同じように4種類のポーズを描いて多数決で固定ポーズを決めます。
男性のモデルは骨格や筋肉の付き方が女性とは違います。ゴツゴツしているなど、モデルを見て感じたことを描く時に意識します。
ポーズの間の休息時間に、松本さんが過去に描いたクロッキーやデッサンを見せてくだいました。
4回目:2月6日
最終日は、女性モデルの固定ポーズ4回を描きます。
この日の後半は、皆さんの絵を並べて講評しました。
身体の重心を考えて描いた、しっかりしたデッサンが並びました。
2020.2.19
画家の石田淳一さんを講師に迎えて「巨匠の素描に触れて学ぶ」を開催しました。
この講座では、巨匠の素描を模写して3次元の表現を学びます。
初回:11月29日
始めに素描のトレーニングとして、あらかじめ印刷されている円に鉛筆で陰影をつけて球体を描きます。
塗るのではなく線を1本ずつ重ねて描き、物の立体感を出します。
1つ目の円が描けたら、2つ目の円に陰影をつけます。今度は球体の丸みに沿ってカーブ線を重ねていきます。そこにハイライトをいれるとさらに球体らしさがでます。
2回目:12月6日
いよいよレオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロといった巨匠の素描を模写します。
巨匠の素描のアウトラインをスケッチブックに転写します。
巨匠の素描を印刷した紙の裏側を2Bの鉛筆で塗りつぶします。
塗りつぶし終わったら、スケッチブックに塗りつぶした面を下にして乗せます。
輪郭線を芯の硬いHの鉛筆でなぞるとスケッチブックに転写されます。
転写されたアウトラインをガイドに、コピーを見ながら素描の陰影を鉛筆で描きます。
3回目:12月13日
引き続き模写をします。
巨匠の素描の線を1本たがわず写そうとするのでなく、巨匠が描いた時の気持ちになって描いてみると良いそうです。
4回目:12月20日
同じ模写を続けてもよいし、新しい模写に移ってもよし、それぞれのペースで1枚の模写にじっくり取り組みました。
最後にみなさんの模写をお互いに見て回りました。
ただ立体感を出そうとするだけでなく「筋肉の動きを表そうとしている」、「女性らしい柔らかな表現」など考えて線を引き、いきいきとした模写ができたと思います。
2020.1.18
12月7日に日本画家の武田裕子さんを講師に迎えて「はじめての日本画 絹に描く」を開催
しました。
木枠に張られた透ける絹の生地に墨や岩絵具を使って、あらかじめ用意された3種類の下絵から選んで花を描きます。
木枠の裏から下絵をあてて、絹を通して透けて見える線を墨で描きます。
筆を立てると細くてきれいな線が引けるそうです。
墨で線が引き終わったら次は岩絵具で色をつけます。
表からの彩色もしますが、裏彩色という技法の説明がありました。
画面を裏にして裏側から絵具をのせます、表に返してみると色が透けて見えて、表から彩色したより柔らかな感じになります。
たらしこみという技法は、先に描いた所が乾く前に違う色の絵具をのせてにじませます。
この技法を使って枝の質感などの表現にチャレンジする方もいました。
色付けが終わって絵具が乾いたら、画面裏に色紙を当てて背景色にします。
絹を通して色紙が透けて素敵な背景になります。
日本画は初めての方も、1日で本格的な作品ができあがりました。
武田先生の丁寧な説明とデモンストレーションで分かりやすい講座でした。
教わった技法をいれる部分の工夫や、背景色の選び方によってそれぞれ個性的な作品ができあがりました。
2019.12.17
画家の清野晃代さんを講師に迎えて「音を奏でる人体を描く―クロッキーとデッサン」
を開催しました。
初回:10月31日
初めのポーズはモデルがヴァイオリンを実際に演奏しているところを描きました。
楽器を奏でている時の所作の美しさは魅力的です。
2回目のポーズからは、楽器を構えたポーズのクロッキーをしました。
動いていなくても、楽器と人体とのバランスを取って描くことは難しいです。
2回目:11月7日
この日は固定ポーズのデッサンをしました。
バリエーションを変えた5分ポーズを4回描いた後、多数決で固定ポーズを決めます。
固定ポーズはヴァイオリンを構えて椅子に座った姿勢になりました。
よく観察して、じっくり描きます。
3回目:11月14日
この日のテーマは「身体の動きを捉えて描く」
身体のひねりや様々な角度の顔の向きのあるポーズ、座のポーズなどのクロッキーをしました。
4回目:11月21日
最終日は、2回目の続きの固定ポーズです。
清野さんがひとりひとりにアドバイスしていました。
講座の後半は、みなさんの絵を並べて講評会をしました。
ひとりずつの作品に清野さんがコメントします。
「脛の骨の湾曲、ふくらはぎのふくらみのバランス、膝の皿からどういう風に脛のラインがあるかよく観察する」
「光が当たって明るい所を薄く、影になって暗い所を濃く描く」
「普段の練習としては、自分の手足を描くと構造がわかる」
など、ほかの人へのアドバイスも聞いていると参考になりました。
2019.9.9
「親が知っておきたい“おえかき”の楽しみ方」が5/30と6/27に開催されました。
講師は横浜市民ギャラリー鑑賞教育エデュケーター横田佳子です。参加者は1歳6か月から3歳までの子どもの保護者です。
スライドを見ながら子どもの“おえかき”の成長過程を学びました。
子どもたちは、床に敷いた大きな紙にクレヨンやペンでおえかきしをしながら参加しました。
子どものおえかきでは、なぐり描きから始まって「ぐるぐる」を描くようになって、円を描けるようになる。世界中の子どもが同じような経過をたどるそうです。
メモを取りながら真剣に受講している方もいらっしゃれば、リラックスして子どもとおえかきしながら話を聞いている方もいらっしゃいました。
大人も実際になぐり描きの線を体験しました。ちょっと楽しそうです。
小さい子どもが握りやすい形のクレヨンや、窓ガラスにも描けるクレヨンなどの紹介もありました。
最後に筆でおえかきしました。小さい子どもでも扱いやすいようにポスターカラーを水で薄めた絵具です。広い画面でのおえかきが楽しくなって、しばらく真剣に筆を使っている子どももいました。
始めに配られた小冊子は、今後の楽しいおえかきの参考にできそうです。