大人のためのアトリエ講座 開催レポート:「レクチャー 美術品の保存と修復 ー大切な絵画作品を後世に残すための取り組みー」

2023.3.25
2022年1月15日
横浜市民ギャラリーの大切な収蔵作品をよりよい状態に保ち、永く後世に伝えるために、お力添えいただいている修復士の上野淑美さんを講師としてお迎えし、日々専門家が行っている取り組みについてお話をうかがいました。

講座風景

今回特別に、絵画作品調査時に使用されている専門的な器材(紫外線灯、赤外線カメラ、赤外線ライト、斜光線ライト)、見本の作品等を準備し、調査の一部分を実演していただきました。

赤外線を使った調査の説明

赤外線撮影で確認できた下絵を、モニター上映している様子

特殊な機器を使うことで、通常では確認できないキズやシミの発見につながります。

紫外線調査のデモンストレーション

レクチャーの様子

終盤では、会場であるアトリエ室内に設置されたデータロガー(温湿度を計測する器材)の数値の変化をリアルタイムで参加者のみなさんに見ていただきました。計測データを確認しながら、温湿度変化が作品に与える影響を知ることで、専門家の仕事をより身近に感じることができました。
本レクチャーでは、作品をよりよい状態に保ち、永く後世に伝えるために日々専門家が行っている取り組みの細部や、本年度行った「クラウドファンディングによる横浜市民ギャラリー収蔵作品修復プロジェクト」対象作品の修復についてなど、ここでしか聞けない専門的なお話を、調査の一部体験を交えながら知ることができた貴重な機会となりました!
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  • 令和4年度 クラウドファンディングによる横浜市民ギャラリー収蔵作品修復プロジェクトについて>>
  • 上野さんが監修に関わった作品修復のご報告動画について(外部リンク)>>