大人のためのアトリエ講座「親が知っておきたい“おえかき”の楽しみ方」開催レポート

2019.9.9

「親が知っておきたい“おえかき”の楽しみ方」が5/30と6/27に開催されました。

講師は横浜市民ギャラリー鑑賞教育エデュケーター横田佳子です。参加者は1歳6か月から3歳までの子どもの保護者です。

スライドを見ながら子どもの“おえかき”の成長過程を学びました。

子どもたちは、床に敷いた大きな紙にクレヨンやペンでおえかきしをしながら参加しました。

子どものおえかきでは、なぐり描きから始まって「ぐるぐる」を描くようになって、円を描けるようになる。世界中の子どもが同じような経過をたどるそうです。

メモを取りながら真剣に受講している方もいらっしゃれば、リラックスして子どもとおえかきしながら話を聞いている方もいらっしゃいました。

大人も実際になぐり描きの線を体験しました。ちょっと楽しそうです。

小さい子どもが握りやすい形のクレヨンや、窓ガラスにも描けるクレヨンなどの紹介もありました。

最後に筆でおえかきしました。小さい子どもでも扱いやすいようにポスターカラーを水で薄めた絵具です。広い画面でのおえかきが楽しくなって、しばらく真剣に筆を使っている子どももいました。

始めに配られた小冊子は、今後の楽しいおえかきの参考にできそうです。

大人のためのアトリエ講座「油絵を描く」開催レポート

2019.8.24

講師に画家の椿暁子さんを迎えて、大人のためのアトリエ講座「油絵を描く」が開催されました。

初回:5月17日

まずは、油絵についてのレクチャーを受けました。今回はF15号のキャンバスに静物画を描きます。

レクチャーの後はさっそく絵にとりかかります。テーブルの上に組まれたモチーフをどの角度から描くか考え、場所が決まったらイーゼルやイスを準備します。モチーフ全体を画面に入れるか、クローズアップして描きたい部分を大きく画面に入れるかを決めて鉛筆で下書きをします。

下書きができたらいよいよ油絵具を使います。はじめは、画面全体になじみやすい色で輪郭を描きます。

テレピン油、リンシードオイル、ダンマルワニスを配合した溶き油を使って、絵の具の硬さを調整します。 画材店に行くとペインティングオイルとして配合してある溶き油が売っていますが、今回は3種類の油の特徴を学びながら実際に配合して使用しました。

2回目:5月24日

前回の絵にさらに重ねて輪郭や陰、背景などを描いていきます。

3回目:5月31日

だいぶ描けてきたので、薄塗りでなくマヨネーズくらいの固さの絵具で厚塗りに挑戦するよう椿さんからアドバイスがありました。

パレットには絵具セットに入っている全色を出しておくと混色して様々な色が作りやすくなります。

色味や構図をもう1度見直しながら進めます。

物と物がかたまっている部分や抜けている空間のバランスをみるとよいそうです。

4日目:6月14日

最終日、全体と細部、主役と脇役、背景の扱いなどのバランスを考えながら描きます。

最後に講評会をしました。

みなさんの絵が並ぶと、背景の扱いや絵具のマチエールなどいろいろな表現があって油絵のおもしろさが感じられました。

「モチーフ部分に時間をかけて描いたように、背景にも手を入れると画面全体がなじみます。」と椿さんからアドバスがありました。

油絵は乾いてからも重ねて描けるため家でさらに加筆してみるのもいいかもしれません。

大人のためのアトリエ講座 「中世ヨーロッパの絵画技法でつくる羊皮紙の栞」開催レポート

2019.6.22

5月12日、大人のためのアトリエ講座「中世ヨーロッパの絵画技法でつくる羊皮紙の栞」が開催されました。


始めにスライドを見ながらのレクチャー。

羊皮紙は中世の時代にパピルス(紙)の代わりとして動物の皮を伸ばして乾燥させたものを使って作られたものです。

同じ時代に使われていた、インクタマバチの幼虫が木の枝につくる虫こぶから作った「虫こぶインク」で描きます。

レクチャーの後は、実際に羽根ペンに虫こぶインクをつけて羊皮紙にイニシャルを描きます。

細い線は、まず太い部分にインクを置き、そこからインクを引くように描くとよいそうです。

穴あけポンチで羊皮紙に穴をあけ、紐を通すと栞になります。

次にテンペラ絵具の作り方とDrolleryという13世紀に祈祷書の余白に描かれていた空想上の動物の絵についてのレクチャーを受けました。次はDrolleryを参考にしながら絵をいれて栞をつくります。

下絵を写して虫こぶインクで線を引いたらいよいよ着色です。

顔料を卵白メディウムと水で溶きテンペラ絵具をつくります。

着色します。

イニシャルと絵、1人2枚ずつ素敵な栞ができました。

羊皮紙はそのままだと波打ってしまうので、栞として本に挟んでおくと良い状態で保存できます。

大人のためのアトリエ講座「人体を描く―クロッキーとデッサン」開催レポート

2019.6.1

前回に引き続き画家の清野晃代さんを講師に迎えて「人体を描く―クロッキーとデッサン」を開催しました。

初回:418

始めに短いレクチャーを受けました。イーゼルは右ききなら右側のぞきで、座った高さから自分の手を真直ぐのばした高さに画面がくるように調整すると描きやすいそうです。

2回目:425

この日はデッサンです。始めに5分ポーズを4種類描いてその中から多数決で固定ポーズを決めます。

デッサンは時間をかけてゆっくり形をみることができます。ポーズの間も清野さんがまわってひとりずつにアドバイスがありました。

3回目:52

着彩デッサンはそれぞれ画材を持ってきて描きました。

色を使ってみると立体感をつかむのが難しく感じましたが、絵としてのおもしろさがでてくるかもしれません。

4回目:59

先週の続きを描いて、最後に講評をしました。

いろいろな表現のデッサンやクロッキーが並びました。清野さんからはそれぞれの絵の良い点やアドバイスがありました。

大人のためのアトリエ講座「デッサン―立体感と質感について実践から考える」開催レポート

2019.4.11

画家の石田淳一さんを講師に迎えて「デッサン―立体感と質感について実践から考える」が開催されました。

1つのモチーフに時間をかけて向き合い、1枚のデッサンを描きます。

初回:1130

リンゴのデッサンを始める前に、コピー用紙に印刷された円の中に鉛筆で影を付けて球体を描きます。

今回はハッチングで細かく線を重ねて影を付けて、明るい部分は紙の白を残します。

1つ目の球体が描き終わったら、次の円でもう一度立体感をだす練習です。今度はハッチングの線を球体に沿ったカーブで描きます。立体が球体であることを表現できます。

次に、自分で丸を描いてハッチングで影を付けます。

目も慣れてきて細かなトーンが付けられるようになってきました。

2回目:127

先週のおさらいで球体を描きます。球体だけでなく球体が置いてあるテーブルに落ちた影も描きます。

いよいよモチーフのリンゴが登場です。

描き始める前に、リンゴを手で触ってみていろいろな角度から観察します。

画面の中心より少し下にモチーフを配置すると絵が安定します。描く大きさは実物大だと違和感がなくて良いそうです。

白い紙にどのくらいの大きさで描くか当たりを付けます。

濃く描くと後でコントロールしにくくなるので薄く描きます。

実際のリンゴには輪郭線はないのでリンゴと空間の境目を見るような感じです。

3回目:1214

リンゴのデッサンの続きです。

鉛筆を動かす時間も大切ですが、観察したり考えたりする時間も大切です。すこし手を止めてこの後どう進めるか計画を練り直してもいいかもしれません。時々自分の席を離れてほかの方のデッサンをのぞいてみるのも参考になります。

テーブルには、窓からの光と照明からの光によっていくつかの陰が見えます。

反射光があってテーブルに落ちた影よりリンゴのお尻が明るくみえたりします。

時間をかけて観察すると今まで気付かなかったことも見えてきます。

石田さんは1人ずつ丁寧にアドバイスをしていました。みなさん自分の絵を描きながら、他の人へのアドバイスにも耳を傾けて参考になったようです。

4回目:1221

前回に引き続きリンゴのデッサンです。初めは立体感を意識して描いていましたが最後の仕上げ段階なので質感も考えます。

目の前のリンゴに丁寧に向き合い自身で感じ、そして丁寧に鉛筆の線をかさねます。

線を1本引くか、引かずに白を残すかを冷静に見極めて描きます。

石田さんは「デッサンとは描いた絵が目の前のモチーフに近づいてきたという実感を得る事」と考えているそうです。

最後にデッサンを額に入れて完成です!

リンゴのつるつるした表面、赤さ、丸さ、肩がふくらんでお尻はスマートになっているフォルムなどよく観察されていて、立体感も意識されたデッサンが出来上がりました。




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