2024年度インターン活動レポート~一年間のふりかえり②子ども向け事業~

2025.4.1

横浜市民ギャラリーでは、次世代の育成と美術分野での業務体験の場を提供することを目的に、2018年度より大学生・大学院生のインターンを受け入れています。今回は、2024年度の子ども向け事業のインターン活動についてご紹介します。

※前期の振り返りは、こちらをお読みください。

2024年度インターン活動レポート~前期のふりかえり②子ども向け事業~

※コレクション管理・事業アーカイブ構築補助活動については、以下の記事をご覧ください。

2024年度インターン活動レポート~一年間のふりかえり①学芸系~

 

ワークショップ企画会議の様子

 

当館では、美術に触れたり、つくったりすることを通じ子どもの自立心を養うことを目的に、子ども向けの美術展やアトリエ講座をおこなっています。子ども向け事業のインターン活動は各事業の準備や運営補助を体験しながら、子どもとの関わり方、年齢に応じた活動の展開や素材の特性等を学び、経験を積みます。最終的には、インターン生が中心となり造形ワークショップを企画・運営します。

 

 

■オリエンテーション

5月18日にオリエンテーションを実施し、活動の概要について説明しました。今年度の子ども向け事業インターン生は4名!このメンバーで、様々な事業を体験します。

 

オリエンテーション

 

■子ども向け講座「ハマキッズ・アートクラブ」の運営サポート

幼児・児童を対象とする造形を中心としたアトリエ講座「ハマキッズ・アートクラブ」は、造形活動等を通じて子どもたちに「自分で考える」「自分できめる」「自分でする」ことの楽しさや醍醐味を体験してもらうことを目的としています。材料準備や、講座中の制作補助など、講師の説明を受けながら講座運営を体験しました。はじめは子どもたちと接することに不慣れだったインターン生も、回を重ねるごとに、サポートが自然にできるようになっていました。

 

(左)5/25 ハマキッズ・アートクラブ「ホチキスでつないでみよう」 (右)6/8 ハマキッズ・アートクラブ「光るねんどで海のいきものをつくってみよう」

(左)12/14 ハマキッズ・アートクラブ「ポップアップカードをつくろう」 (右)11/24 ハマキッズ・アートクラブ「スタンプ!スタンプ!スタンプ!」

 

 

■「横浜市こどもの美術展2024」関連イベント「ききたがりお兄さん&お姉さんと話そう!」での鑑賞サポート

「横浜市こどもの美術展2024」(2024719日〜28日)の関連イベント「ききたがりお兄さん&お姉さんと話そう!」は、会場内でおこなわれる「こどものためのコレクション展」で、学生インターン等がお客様と一緒に作品を見ながら言葉を交わすイベントです。リラックスした会話を通して、作品を見て感じたことや気づいたことを言語化し、鑑賞体験を一歩進めることを目指し活動しました。子どもから大人まで、幅広い年齢層のお客様との会話を通じて、コミュニケーションの工夫を学ぶ貴重な経験になりました。

活動の詳細は、下記のブログ記事でご紹介しています。
[横浜市こどもの美術展2024]インターン活動レポート

 

「ききたがりお兄さん&お姉さんと話そう!」

 

■子ども向け造形ワークショップの企画・運営

2025年119日開催の神奈川県立青少年センター 子どもフェスティバルに、インターン生たちが企画したワークショップを出展しました。

 

企画会議の様子

 

10月初旬から企画会議をスタートし、どんなワークショップにするか何度も話し合いました。

「横浜らしさや、横浜市民ギャラリーならではの魅力を伝えられないか?」

「自分の好きなもの、表現したいものに気付くきっかけになるワークショップにしたい」

「ものづくりの楽しさや温かみを知ってもらいたい」など、たくさんのアイデアが生まれました。

安全性や材料費など、さまざまな条件に合わせてアイデアをまとめることに、はじめは難しさを感じていた様子でしたが、お互いに意見を出し合いスタッフのアドバイスも参考にしながら、企画を練りあげていきました。

 

(左)材料準備の様子(右)フォトスポット制作の様子

 

インターン生たちが試行錯誤し、心を込めてつくりあげたワークショップは「毛糸でくるくる!とっておきのヨコハマフレーム」。横浜の風景写真を1枚選び、その写真からイメージした色の毛糸を木製スティックに巻き付けて、フォトフレームをつくります。写真もインターン生が撮影したものを使いました。

 

ワークショップ当日の様子

 

ワークショップ当日は大盛況!75名もの方にご参加いただきました。写真をきっかけに、子どもたちとインターン生の間で会話が弾んでいました。参加者がリラックスして、楽しそうにつくっている姿が印象的でした。

できあがった作品を誇らしげに持って、フォトスポットで写真を撮る姿に、インターン生たちもとても嬉しそうにしていました。

 

参加した子どもたちの作品

 

神奈川県立青少年センター 令和6年度子どもフェスティバル

「つくってあそぼう!」横浜市民ギャラリーがやってきた!

―毛糸でくるくる!とっておきのヨコハマフレーム―

日 時:2025119日(日)10:1515:45

会 場:神奈川県立青少年センター

参加数:75

 

 

■振り返り

最後に今年度の活動を振り返り、活動を通して気付いたことや考えたことを分かち合いました。

子ども向け事業インターン生4名の振り返りコメントをご紹介します。

 

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活動開始当初は、子どもたちが自分のアイデアを形にできるワークショップを企画できるか不安だった。しかし、ハマキッズ・アートクラブの運営補助を通じて子どもたちと関わる中で、それぞれが持つ個性や創造力に気づいた。ワークショップ当日は、子どもたちが材料を選び、自由に表現できる環境を整えた。楽しそうに作品を作る姿を見て、私も達成感を得られた。(K.I.さん)

 

子どもたちの「できた!」という声が一番のやりがいでした。まずは自分の力で取り組み、考えてみることの重要性が伝わっていたら嬉しい限りです。彼らの成長に立ち会うことで、私自身の視野が広がり、新しい学びを得ることができました。一年間、貴重な経験をありがとうございました。(W.K.さん)

 

事業運営を体験し、「常に子どもたちの目線に立つ」ことでその創造性を引き出す企画を実現できると学びました。また、子どもたちの独創性が光るアイデアや表現に毎回驚かされ、美術活動が生み出す「新しい発見や価値」の面白さを実感できました。今後も積極的に、地域の人々の表現が交わる場づくりに携わりたいです。(K.N.さん)

 

インターン生で協力して企画したワークショップにて、自分が考えたことを、夢中で手を動かしながら形にしていく子どもたちの楽しそうな様子を見ることができ、とてもやりがいを感じました。また、作品を通して子どもたちが自分の考えを自由に表現する機会としてのワークショップの重要性も実感することができました。(M.M.さん)

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インターン生のみなさん、約10か月間の活動お疲れ様でした。今後のご活躍を応援しています!