2020.1.18
12月7日に日本画家の武田裕子さんを講師に迎えて「はじめての日本画 絹に描く」を開催
しました。
木枠に張られた透ける絹の生地に墨や岩絵具を使って、あらかじめ用意された3種類の下絵から選んで花を描きます。
木枠の裏から下絵をあてて、絹を通して透けて見える線を墨で描きます。
筆を立てると細くてきれいな線が引けるそうです。
墨で線が引き終わったら次は岩絵具で色をつけます。
表からの彩色もしますが、裏彩色という技法の説明がありました。
画面を裏にして裏側から絵具をのせます、表に返してみると色が透けて見えて、表から彩色したより柔らかな感じになります。
たらしこみという技法は、先に描いた所が乾く前に違う色の絵具をのせてにじませます。
この技法を使って枝の質感などの表現にチャレンジする方もいました。
色付けが終わって絵具が乾いたら、画面裏に色紙を当てて背景色にします。
絹を通して色紙が透けて素敵な背景になります。
日本画は初めての方も、1日で本格的な作品ができあがりました。
武田先生の丁寧な説明とデモンストレーションで分かりやすい講座でした。
教わった技法をいれる部分の工夫や、背景色の選び方によってそれぞれ個性的な作品ができあがりました。
2019.12.17
画家の清野晃代さんを講師に迎えて「音を奏でる人体を描く―クロッキーとデッサン」
を開催しました。
初回:10月31日
初めのポーズはモデルがヴァイオリンを実際に演奏しているところを描きました。
楽器を奏でている時の所作の美しさは魅力的です。
2回目のポーズからは、楽器を構えたポーズのクロッキーをしました。
動いていなくても、楽器と人体とのバランスを取って描くことは難しいです。
2回目:11月7日
この日は固定ポーズのデッサンをしました。
バリエーションを変えた5分ポーズを4回描いた後、多数決で固定ポーズを決めます。
固定ポーズはヴァイオリンを構えて椅子に座った姿勢になりました。
よく観察して、じっくり描きます。
3回目:11月14日
この日のテーマは「身体の動きを捉えて描く」
身体のひねりや様々な角度の顔の向きのあるポーズ、座のポーズなどのクロッキーをしました。
4回目:11月21日
最終日は、2回目の続きの固定ポーズです。
清野さんがひとりひとりにアドバイスしていました。
講座の後半は、みなさんの絵を並べて講評会をしました。
ひとりずつの作品に清野さんがコメントします。
「脛の骨の湾曲、ふくらはぎのふくらみのバランス、膝の皿からどういう風に脛のラインがあるかよく観察する」
「光が当たって明るい所を薄く、影になって暗い所を濃く描く」
「普段の練習としては、自分の手足を描くと構造がわかる」
など、ほかの人へのアドバイスも聞いていると参考になりました。
2019.9.9
「親が知っておきたい“おえかき”の楽しみ方」が5/30と6/27に開催されました。
講師は横浜市民ギャラリー鑑賞教育エデュケーター横田佳子です。参加者は1歳6か月から3歳までの子どもの保護者です。
スライドを見ながら子どもの“おえかき”の成長過程を学びました。
子どもたちは、床に敷いた大きな紙にクレヨンやペンでおえかきしをしながら参加しました。
子どものおえかきでは、なぐり描きから始まって「ぐるぐる」を描くようになって、円を描けるようになる。世界中の子どもが同じような経過をたどるそうです。
メモを取りながら真剣に受講している方もいらっしゃれば、リラックスして子どもとおえかきしながら話を聞いている方もいらっしゃいました。
大人も実際になぐり描きの線を体験しました。ちょっと楽しそうです。
小さい子どもが握りやすい形のクレヨンや、窓ガラスにも描けるクレヨンなどの紹介もありました。
最後に筆でおえかきしました。小さい子どもでも扱いやすいようにポスターカラーを水で薄めた絵具です。広い画面でのおえかきが楽しくなって、しばらく真剣に筆を使っている子どももいました。
始めに配られた小冊子は、今後の楽しいおえかきの参考にできそうです。
2019.8.24
講師に画家の椿暁子さんを迎えて、大人のためのアトリエ講座「油絵を描く」が開催されました。
初回:5月17日
まずは、油絵についてのレクチャーを受けました。今回はF15号のキャンバスに静物画を描きます。
レクチャーの後はさっそく絵にとりかかります。テーブルの上に組まれたモチーフをどの角度から描くか考え、場所が決まったらイーゼルやイスを準備します。モチーフ全体を画面に入れるか、クローズアップして描きたい部分を大きく画面に入れるかを決めて鉛筆で下書きをします。
下書きができたらいよいよ油絵具を使います。はじめは、画面全体になじみやすい色で輪郭を描きます。
テレピン油、リンシードオイル、ダンマルワニスを配合した溶き油を使って、絵の具の硬さを調整します。
画材店に行くとペインティングオイルとして配合してある溶き油が売っていますが、今回は3種類の油の特徴を学びながら実際に配合して使用しました。
2回目:5月24日
前回の絵にさらに重ねて輪郭や陰、背景などを描いていきます。
3回目:5月31日
だいぶ描けてきたので、薄塗りでなくマヨネーズくらいの固さの絵具で厚塗りに挑戦するよう椿さんからアドバイスがありました。
パレットには絵具セットに入っている全色を出しておくと混色して様々な色が作りやすくなります。
色味や構図をもう1度見直しながら進めます。
物と物がかたまっている部分や抜けている空間のバランスをみるとよいそうです。
4日目:6月14日
最終日、全体と細部、主役と脇役、背景の扱いなどのバランスを考えながら描きます。
最後に講評会をしました。
みなさんの絵が並ぶと、背景の扱いや絵具のマチエールなどいろいろな表現があって油絵のおもしろさが感じられました。
「モチーフ部分に時間をかけて描いたように、背景にも手を入れると画面全体がなじみます。」と椿さんからアドバスがありました。
油絵は乾いてからも重ねて描けるため家でさらに加筆してみるのもいいかもしれません。
2019.6.22
5月12日、大人のためのアトリエ講座「中世ヨーロッパの絵画技法でつくる羊皮紙の栞」が開催されました。
始めにスライドを見ながらのレクチャー。
羊皮紙は中世の時代にパピルス(紙)の代わりとして動物の皮を伸ばして乾燥させたものを使って作られたものです。
同じ時代に使われていた、インクタマバチの幼虫が木の枝につくる虫こぶから作った「虫こぶインク」で描きます。
レクチャーの後は、実際に羽根ペンに虫こぶインクをつけて羊皮紙にイニシャルを描きます。
細い線は、まず太い部分にインクを置き、そこからインクを引くように描くとよいそうです。
穴あけポンチで羊皮紙に穴をあけ、紐を通すと栞になります。
次にテンペラ絵具の作り方とDrolleryという13世紀に祈祷書の余白に描かれていた空想上の動物の絵についてのレクチャーを受けました。次はDrolleryを参考にしながら絵をいれて栞をつくります。
下絵を写して虫こぶインクで線を引いたらいよいよ着色です。
顔料を卵白メディウムと水で溶きテンペラ絵具をつくります。
着色します。
イニシャルと絵、1人2枚ずつ素敵な栞ができました。
羊皮紙はそのままだと波打ってしまうので、栞として本に挟んでおくと良い状態で保存できます。