横浜市民ギャラリーでは、次世代の人材育成と職場体験の場の提供を目的に、2018年度より学生インターンを受入れています。前回の「2023年度インターン活動(学芸系)レポート」に引き続き、今回は2023年度におこなった子ども向け事業のインターン活動についてご紹介します。
当館では、美術に触れたり、つくったりすることを通じ子どもの自立心を養うことを目的に、子ども向けの美術展やアトリエ講座をおこなっています。子ども向け事業のインターン活動は各事業の準備や運営補助を体験しながら、子どもとの関わり方、年齢に応じた活動の展開や素材の特性等を学び、経験を積みます。最終的には、インターン生が中心となり造形ワークショップを企画・運営します。
■「横浜市こどもの美術展 2023」(7/21[金]~30[日])関連イベント運営サポート
「横浜市こどもの美術展」は、横浜市民ギャラリーが開館した翌年の1965年から始まった、歴史ある展覧会です。横浜市在住・在学の小学生以下の児童・幼児を対象に作品を募集し、応募作品は無審査ですべて展示されます。展覧会に先立ち実施したプレワークショップ「すてきなあおいろの紙をつくろう」では、会場準備や子どもたちの制作サポートをインターン生も手伝いました。はじめは緊張していた様子でしたが、制作サポートをする中で少しずつ慣れ、子どもたちとのコミュニケーションを楽しんでくれたようです。
会期中は、関連イベント《みんなでつくるコーナー「どんどんひろがる!あおいろのカベ」》の運営と《こどものためのコレクション展「いろのいろいろ」》の鑑賞サポートを、展覧会ボランティアとともにおこないました。幅広い世代のボランティアとの活動は、多様な意見に触れる良い機会となったようです。鑑賞サポートでは来場者に朗らかに挨拶したり、作品についてお話ししたりと、作品鑑賞を自由に楽しむ雰囲気づくりに貢献してくれました。
活動の詳細は、下記のブログ記事でご紹介しています。
「横浜市こどもの美術展2023」プレワークショップを開催しました
「横浜市こどもの美術展2023」ボランティア・インターン活動レポート
■子ども向け講座「ハマキッズ・アートクラブ」の運営サポート
幼児・児童を対象とする造形を中心としたアトリエ講座「ハマキッズ・アートクラブ」は、造形活動等を通じて子どもたちに「自分で考える」「自分できめる」「自分でする」ことの楽しさや醍醐味を体験してもらうことを目的としています。材料準備や、講座中の子どもたちの制作補助など、講師の説明を受けながら講座運営を体験しました。どの講座もインターン生の皆さんは積極的に参加し、子どもたちのやりたいこと・考えたことを大切にしてサポートする姿勢を身につけていました。
■子ども向け造形ワークショップの企画・運営
2023年1月28日開催『神奈川県立青少年センター 子どもフェスティバル』に、インターン生たちが自ら企画したワークショップを出展しました。はじめは企画することの難しさを感じていた様子でしたが、お互いに意見を出し合い、様々な試行錯誤を繰り返すなかで、ワークショップ企画のために必要なノウハウを習得したようです。
子どもたちが自分でつくる楽しさを体験できるようにと、心を込めてつくりあげたワークショップは「フェルトでまめいれポケットをつくろう」。フェルトをホチキスで留めて、「節分の鬼」の形の豆入れを作りました。ワークショップ当日は大盛況で、114名の方にご参加いただきました。できあがった作品を大切そうに持ち帰る子どもたちの姿に、インターン生もとても嬉しそうでした。
神奈川県立青少年センター 令和5年度子どもフェスティバル
「つくってあそぼう!」横浜市民ギャラリーがやってきた!
―フェルトでまめいれポケットをつくろう―
日 時:2024年1月28日(日)10:15〜15:45
会 場:神奈川県立青少年センター
参加数:114名
■振り返り
2月には今年度の活動を振り返り、活動を通して気付いたことや考えたことを分かち合いました。実感のこもった言葉に、活動を通して多くを学んだことが伝わってきました。約9か月間、お疲れ様でした!
■インターン生の振り返りコメント
最後に、子ども向け事業インターン生4名の振り返りコメントをご紹介します。
今回、参加してくれた子どもたちが笑顔で帰っていく姿を見るたびに、インターン生として企画運営に参加できてよかったと思えました。子どもたちが作った豆入れポケットのみでなく、自分の作ったものに対しての愛着、作りきったことに対する自信を持ち帰ることができていれば良いと願っています。(K.K.さん)
人と関わり合いたい気持ちから参加したインターンでしたが、他のインターン生やスタッフの人たち、そして子ども達とも接することができ、とても実りのある時間を過ごすことができました。また、企画を作るのは難しかったですが、たくさんの話し合いと試作を重ねて完成し、当日は大盛況を迎えることができて嬉しかったです。(H.K.さん)
本活動では、子どもたちが自由に自分の力で創作できる環境を、どのようにつくることができるのかを考え、学ぶことができました。実際に私たちが企画・運営したワークショップに参加した子どもたちが、わくわくとした様子で作品づくりをしている姿を見た時には、とてもやりがいを感じることができました。(M.K.さん)
初めはどのように接すれば良いのか対応に迷うこともありましたが、子どもたちが楽しそうに造形活動をしているのを見て、自分自身も楽しみながら接することができました。1年間の活動で学んだ「造形活動を通して人と関わる喜び」を忘れずに今後も様々なことに挑戦していきたいです。1年間本当にありがとうございました。(M.S.さん)