大人のためのアトリエ講座 開催レポート:「親が知っておきたい ~紙あそび・お絵かきあそび~」

2024.6.14

講師に「親子のおえかきひろば」主宰の横田佳子さんをお招きし、「親が知っておきたい~紙あそび・お絵かきあそび~」を2024511日に開催しました。子どものあそびがひろがる親の関わり方を、親子で一緒にあそびながら学ぶ本講座。16カ月~3歳の子どもと、保護者の13組が参加しました。当日の様子をレポートします。

 

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講座は横田さんのお話からスタートしました。

「この子はどんなあそびが好きなのかということを、普段は忙しくて大人はなかなか考えられないかもしれません。今日は子どもを先生に、好きなこと、やりたいと思っていることを教えてもらいましょう」

 

アトリエに敷かれた大きな紙の上に、靴を脱いで座ります

 

まずは紙あそびから。折り紙を丸めたり、ねじったり、破いたりして形を変えていきます。「折り紙の形を変えると、いろいろなあそびができますよ」と横田さん。

 

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「丸めた折り紙は何に見える?」という横田さんの問いかけをきっかけに、見立てあそびをはじめた子どもたち。丸めた折り紙はトマト、ねじった輪っかはドーナツなど、折り紙の形から想像を膨らませてあそんでいました。横田さんいわく「折り紙をある程度いっぱい用意して、子どもたちにまかせてみるのもポイント」とのこと。丸めた折り紙をたくさん用意し、紙袋やお皿を子どもたちに渡すと…

 

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お皿に盛り付けて食べ物に見立てたり、紙袋を使ってお店屋さんごっこをしたりと、それぞれの世界観であそびはじめました。子どもたちの見立ての世界を、保護者のみなさんも一緒に楽しんでいました。

 

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紙あそびを楽しんだ後、ビニール袋に折り紙を集めて、持ち手をつけると…

 

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かわいいおもちゃが完成!横田さんのアイデアで、お片付けも楽しいあそびになりました。

 

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次はクレヨンを使ったお絵かきあそびです。子どもたちの絵を観察すると、描線にある特徴が。

 

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横田さん「この時期の子どもたちは、自分の周り360°に絵を描けるんです。それは、手でやることを目で追いかけなくてもいい時期だからなんですよ」

 

1歳6カ月~3歳の今だからこそ描ける線

 

保護者のみなさんも、子どもたちの絵をお手本にして描いてみました。子どもたちのように全身の力を使ってなぐり描きをすると、想像以上にエネルギーを使うことがわかります。お絵かきするときの子どもたちの体には、大きな変化が起きているんですね。

 

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3歳くらいまでの子どもたちにとってお絵かきの楽しさは「手を動かして画面が変わること」。画面の中にきっかけを見つけ、手を加えて色や形を変化させることが面白いのだそうです。そのため無地の紙よりも、すでに何かが書かれている紙の方がお絵かきしやすい場合があるとのことです。

 

シールも、お絵かきのきっかけに。

 

最後はいよいよ、絵の具でお絵かきです。描きやすいように、水で薄めた絵の具を使います。

 

 

「今は便利で精巧なおもちゃがたくさんありますが、クレヨンや絵の具のような“子どもとあそんでくれる材料”であそぶと、見守るってこういうことかと実感できますね」と横田さん。

 

 

保護者の助けが無くとも、自分で好きな色を選び、思い思いに好きなかたちを描く子どもたち。その様子を見守る時間は、子どものやりたいことや好きなことを知る時間でもあるんですね。

 

 

1時間30分の講座が終わると、真っ白だった紙が子どもたちの絵でいっぱいに。この年齢の子どもたちが集中してあそび続けられることに驚くとともに、保護者のみなさんの楽しそうな笑顔が印象的でした。講座を通して、アイデアや工夫次第で子どものあそびがひろがっていくことを実感していただけたのではないでしょうか。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!