今回は2023年5月19日におこなった学芸系のインターン活動(コレクション管理補助活動)の「IPM点検補助」についてご紹介します。
横浜市民ギャラリーでは、作品を保管する環境を維持するため、IPMを導入しています。
隔月で実施するIPM点検では、館内を回って清掃やカビのサンプリング、補虫トラップの確認、簡易消毒などをおこないます。
今回は今年度のインターン生も参加し、点検や清掃の補助、記録撮影を担当しました。
そもそもIPMとは…
IPMとは「Integrated Pest Management」の略で、日本語では「総合的有害生物管理」といいます。
美術館や博物館などの、資料を大切に保管する施設では、虫やカビ等による被害を起こさないようにする必要があります。
IPMでは、虫やカビ等による被害が出る前に、日々の清掃や点検をすることで発生しにくい環境を維持します。
点検内容をいくつかご紹介します。
(1)サンプリング
カビが発生していないか、サンプルを取って調査します。
〈付着カビの調査〉
〈空気中の落下カビの調査〉
(2)補虫トラップの設置
館内のさまざまな場所に補虫トラップを設置し、虫の発生状況を点検します。
この補虫トラップは市販の補虫トラップと違って、虫を誘引する成分がトラップに塗布されていません。
虫を集めるのではなく、自然にその場所を通った虫を捕まえます。
(3)簡易消毒
エタノール水等のアルコールで、カビが発生し易そうなところを拭いていきます。
(4)温湿度管理
収蔵庫内は日々の温湿度の移り変わりを記録し、急激な温度変化を起こさないようにしています。
環境を維持するためには、コツコツとした毎日の取り組みが大切です。