講師にエデュケーターの関 淳一さんをお迎えし、紙の上に身近な素材を自由にコラージュして版をつくる版画“コラグラフ”を制作しました。
今回は、版画用のプレス機で刷るのはなく“自分の足を使って、足踏みで刷る”という方法で版画を刷りました。
※このアルミホイルで覆ったコラグラフにスポンジで彩色する一版多色刷りと、足踏み刷りは、愛知産業大学の山口雅英氏の考案によるものです。
“コラグラフ”とは色々な素材を貼りつけて版をつくる版画です。
今回は、卵形の厚紙に葉っぱや紙片、糸や布などを貼りつけて版をつくりました。
厚紙に貼り付けたいろいろな素材の凸凹が絵柄になって紙に刷り取られます。
貼り重ねたものがどんな絵柄になって紙の上に現れてくるか、最初はなかなか想像できませんが、
その偶然との出会い、刷り上がった紙をめくる時のドキドキ感が版画の大きな魅力です。
まずはスライドを使った版画レクチャーからスタート!
先史時代の洞窟に残された手形や、子どもたちが手に絵具を付けて無心でスタンプする様子のスライドについて関さんは、
「版による表現は“今ここに居る”ことや“今ここにある”ということを見つめるような表現といえる」とお話しされていました。
版画の仕組みや、マックス・エルンストのデカルコマニー技法を使った作品、
長谷川潔のメゾチント技法を使った銅版画作品の説明など、
短い時間ではありましたが版画の面白さがギュッと詰まったレクチャーでした。
それでは、いよいよ版づくりです。
好きな素材を選んで、スプレーのりを塗布した厚紙に載せ、素材を貼り付けていきます。
この素材はどんな絵柄になるのか想像しながら貼る、ワクワクする作業です。
厚紙の表面を覆うようにアルミホイルを貼り付けたら、版が完成!
次は版にインクをのせていきます。
今回使ったインクは、銅版画用のカラーインクです。
脱脂綿をガーゼでくるんで作ったタンポにインクを付けて、ポンポンと版にインクをのせていきます。
柔らかいタンポを使うことで、版の凹凸にムラなくインクをのせることができます。
インクをのせたら、床に版を置き、その上に版画用紙をそっと置きます。
ずれないように気を付けながら、紙の上で足踏みをします。
かかとを使ってギュッと力を加えるようにして圧をかけることで、版面のインクを紙に刷り取ります。
刷り上がりました!
受講生の皆さんは、素晴らしい集中力で次々と素敵な作品を制作しておられました。
同じ版でも、インクののせ方を変えるとガラリと表情が変わります。
また今回は「シンコレ」という、刷るときに別の紙を一緒に貼りこむ技法も使って制作しました。
色紙の色とインクの色とが組み合わさって、想像していなかったような面白い効果が生まれます。
最後に、受講生の皆さんの作品を並べて鑑賞会をしました。
受講生の皆さん、ご参加いただきありがとうございました!