画家の清野晃代さんを講師に迎え、着物姿の人物をモチーフにクロッキーを行う「講師と学ぶ和装クロッキー」を、1月22日・29日の2回にわたり開催しました。クロッキーの基本を学びながら、和装ならではのポーズや着物の直線美に向き合った本講座。当日の様子をレポートします。

講座の様子
① 1回目(1月22日)
講座は、画材についての説明からスタート。清野さんからは、「大きめのクロッキー帳を使って、大きく描くことで形のズレに気づきやすくなります」とアドバイスがありました。イーゼルと身体の位置関係など、描くときの基本も確認していきました。

講師の清野さん
続いて、清野さんによるデモンストレーション。頭から足先までをバランスよく画面に収めるコツや、着物ならではの形の特徴をとらえるポイントを、描きながら解説してくださいました。

着物の形を意識しながら描く、清野さんのデモンストレーション
準備が整ったところで、いよいよクロッキーが始まります。5分、10分、20分と時間を変えながら、さまざまなポーズを描いていきました。

女性モデルさんの、華やかな着物姿がとても印象的でした
描き進める中で、清野さんは一人ひとりのもとを回りながらアドバイスをしていきます。
「着物の縫い目や折り目は、人体の形をとらえるヒントになります」「襟は首の形に沿っているわけではないので、首の流れはよく観察してくださいね」など、和装ならではの視点に、参加者の皆さんも感心した様子でうなずいていました。

アトリエには鉛筆を走らせる音だけが響き、集中した時間が流れていました
② 2回目(1月29日)
2日目のモデルは男性です。この日は着流しと袴の2パターンでポーズをとってくださいました。清野さんからは、「男性の着物は女性よりも形がはっきり見えやすく、骨格を感じ取りやすいですね」とお話があり、描く前に全体の構造を観察することの大切さを教えていただきました。

観察してから描くことが大切
モデルさんは模造刀を使って、時代劇の武士のような迫力あるポーズを次々に披露してくださいました。参加者の皆さんも楽しそうに筆を動かし、枚数を重ねるごとに線はますます伸びやかに。1日目の作品と見比べて、「ずいぶん変わった」と自分の成長を実感する方もいました。

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パステルクロッキーの参考作品も見せていただきました
講座の最後には講評会を行いました。清野さんが一人ひとりの作品を見ながら、「いい線ですね」「モデルさんの雰囲気がよく出ています」「形を大きくとらえられるようになりましたね」と良い点を伝えつつ、それぞれのクセや、描写が曖昧になりやすい部分についても具体的なアドバイスをしてくださいました。短時間で形をつかむコツなど、参加者一人ひとりに合わせた言葉が添えられ、皆さん真剣に耳を傾けていました。

講評の様子

他の参加者の講評を聞く時間も、新鮮な学びのひとつ
参加者の方からは、「難しかったけれど、描くことの楽しさを実感できた」「着物を描く機会はあまりないので、とても楽しかった」といった感想をいただきました。本講座が、和装を描くことの魅力に触れるきっかけになれば幸いです。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
文・箱山朋実(横浜市民ギャラリー エデュケーター)
