横浜市民ギャラリーコレクション展2023 では、ボランティアの鑑賞サポーターが活躍しました。この記事では、会期中に実施したイベント「おしゃべりステーション@コレクション展」の様子をレポートします。
(展覧会前の事前研修の様子は、前回のブログ記事をご覧ください。)
近年コレクション展では、関連イベントとして「鑑賞サポーターによるギャラリートーク」をおこなってきましたが、今年は鑑賞サポーターが作品についてお話しするだけでなく、来場したお客様と自由な会話のキャッチボールをすることで、一緒に作品鑑賞を楽しむイベント「おしゃべりステーション@コレクション展」を初開催しました。
「横浜市民ギャラリーコレクション展2023 描きたい風景」関連イベント
〈おしゃべりステーション@コレクション展〉
日時:2023年2月26日(日)、3月4日(土)各日13:30~15:30
会場:1階展示室前スペース、展示室1・B1
参加無料、申込不要
当日は、展覧会入口前の机が「ステーション」に。出品作家の画集を座って眺めたり、気に入った作品を選んでコメントカードを書いたりするスペースです。展示を見終わった後、休憩しながら展覧会を振り返り、作品鑑賞の幅を少し広げることができる場となりました。
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会場内(展示室1、B1)にはイベント時間中ずっと鑑賞サポーターが在室しており、来場されたお客様の様子を伺ってお声がけし、お話ししながら一緒に作品を鑑賞したり、おすすめ作品の紹介もおこないました。
普段は、それぞれのお客様が静かに作品をご覧になっているのが当たり前の風景ですが、「おしゃべりステーション」の時間は会場内のあちこちで楽しい会話に花が咲きました。作品を見て感じたことをお話ししてくださる方、描かれた場所や技法などわからないことを質問する方、いろんな作品を鑑賞サポーターとツアーのようにめぐる方など、それぞれのご様子に応じて、フリースタイルで来場者のみなさんとお話ししました。一方、お一人で作品に集中したい方もいらっしゃるので、邪魔をしないようしっかりと気配りしながら活動しました。
当館スタッフも鑑賞サポーターと一緒に活動しましたが、来場者のみなさんとお話ししていると、作品をとらえる新たな視点をいただいたり、作品に描かれた場所の昔の様子を教えてくださったり、作者のアーティストとお知り合いだったりと、「来場者」「鑑賞サポーター」「スタッフ」の垣根を越えて、お互いに得るものがたくさんあったように感じました。
さまざまな立場の人が、美術作品を通じてフラットに会話できる場。作品を「見る」だけでなく誰かと「話す」ことによって、「今日ここで展覧会を見た」体験がより印象深いものとなり、横浜市民ギャラリーのコレクションに愛着を持っていただけたらという想いで企画した本イベント。来場者の方からは「会話をしながら鑑賞できることがよかった」「一般のサポーターの意見が楽しかったです」などさまざまなコメントをお寄せいただきました。
2か月間の事前研修を経て、このイベントをともに企画・実施してくださった鑑賞サポーターのみなさん。その大きな力により、人と人のつながりが生まれ、展示作品も生き生きとしてくるような、とても素敵なイベントとなりました。