新・今日の作家展2022 世界をとりとめる New “Artists Today” Exhibition 2022: We Catch the World
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概要
今年の副題は「世界をとりとめる」です。世界とは、地球上のすべての国家や地域を指すとともに、自分が認識している社会や世の中、また自分が自由にできる特定の範囲も意味します。いずれの意においても、世界の成立にはそれを認識する自分という主体が不可欠な一方で、自分自身がその構成要素の一つであるといえます。そして、世界は時とともに移ろい変化し続けています。本展では、そのような世界のひと時に眼を向け、制作する3名の作家を紹介します。
詩人の大崎清夏は、平易かつ印象的なことばを用い、自身の体験や思いを反映しながらも、読み手個々に情景や記憶を喚起させるような作品を発表しています。小林達也は、描く行為の中で生まれる色面や形象から受ける自身の内面の動きを画面に還元し、カゼインテンペラやアクリル絵具等を用いて絵画を制作しています。日本画材で制作する古山結は、矩形にとらわれない支持体の制作や描写、時に絵具を削り取る行為等を通じて日々の物事や出来事を整理するように表します。彼らの作品に接し何等かの揺動を得ることが、私たち自身の世界の再認識へと繋がるかもしれません。
- 日程
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- 開場時間
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〜 (入場は17:30まで)
- 休館日
- 会期中無休
- 入場料
- 入場無料
- 会場
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横浜市民ギャラリー 展示室1、B1
〒220-0031 横浜市西区宮崎町26番地1
- 主催
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横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団/西田装美株式会社 共同事業体)
関連イベント
仕草のドローイング「動きのなかにあることば」
古山結×小山衣美(ダンサー)
小山衣美が展示作品に呼応したダンスを即興で踊り、古山結がドローイングします。
2022年9月19日(月・祝) 14:00~14:30
会場|展示室1
※参加無料
※観覧自由(申込不要)。ただし混雑時は入場制限を行います。
※パフォーマンス中、一部の作品が鑑賞しづらくなる場合があります。
対談「私たちは、星だろう」
小林達也×田中龍也(群馬県立近代美術館学芸員)
2022年9月24日(土) 14:00~15:30(開場 13:40)
会場|4階アトリエ
定員|先着30名
※参加無料、申込不要
対談「生き延びるための遊び」
大崎清夏×永井玲衣(哲学研究者)
2022年9月25日(日) 14:00~15:30(開場 13:40)
会場|4階アトリエ
定員|先着30名
※参加無料、申込不要
学芸員によるギャラリートーク
2022年10月2日(日) 14:00~14:30
会場|展示室1、B1
※参加無料、申込不要
作家プロフィール
(2023年8月16日 更新)
(2022年7月13日 更新)
(2022年7月13日 更新)
(2022年7月13日 更新)
(2022年8月15日 更新)
(2022年7月13日 更新)
開催レポート
「新・今日の作家展2022」は“世界をとりとめる”を副題に、詩人の大崎清夏さん、画家の小林達也さん、古山結さんが出品し、開幕時は30件34点を展示しました。
大崎さんはTwitterで呟いてきた詩「私は思い描く」をB1展示室奥のスペース・3面の壁面にカッティングシートを用いて展開するとともに、アーティストの毛利悠子さんらとつくった映像作品《I/O》、新作の《ここで》で会場を構成しました。言葉を用いて表現する詩人の参加は前身の「今日の作家展」時代(1964~2006年)も含めて初めてでした。展示室で見て・読み・体感する、本とは異なる形で提示される詩が、見る人それぞれにイメージや記憶を想起させる空間となりました。カゼインテンペラという技法を用いて制作する小林さんは、同じくB1展示室に新作を含む大型絵画6点を展示しました。主題を決めず、作品自身がなりたい様を探り制作したという画面はいずれも多くの色彩で埋め尽くされたものでした。長い時間をかけ描かれた作品はそれぞれ異なる表情を持ち、大作が居並ぶ様は壮観でした。制作と並行して小林さんが思索した内容から導かれたタイトルも印象的で、想像を掻き立てました。古山さんは1階展示室に、様々な大きさ・そして形状の作品を25点展示しました(当初)。日本画材を用いながらも、支持体を削る、画面を引っ掻く等独自の手法を取入れた制作は、古山さんが自らの身体で体験した物事を整理する過程と呼応しているといいます。物語性を感じさせるものや、絵具の素材感が際立つもの等、やはり印象的なタイトルと相まって、見る人それぞれが作品を起点とした世界を紡ぐような空間となりました。
関連イベントは、大崎さんは哲学研究者の永井玲衣さん、小林さんは群馬県立近代美術館学芸員の田中龍也さんと対談し、出品作品やその背景にあるものを掘り下げる内容となりました。古山さんはダンサーの小山衣美さんとパフォーマンスをおこない、制作されたドローイング5点は会場に追加展示しました。
※関連イベントのうち、対談の書き起こしは「記録集」でご覧いただけます。
※仕草のドローイング「動きのなかにあることば」は記録映像を公開しています。
[展覧会データ]
新・今日の作家展2022 世界をとりとめる
2022年9月17日(土)~10月10日(月・祝)24日間 10:00~18:00
横浜市民ギャラリー展示室1、B1
出品点数 : 31件39点(9/19関連イベントで制作、追加展示したドローイングを含む)
展覧会入場者数3,748名+関連事業参加者数88名=合計3,836名