収蔵作品 今月の1点

ねじれた木−FIRST FINALE− ©Yokohama Civic Art Gallery

ねじれた木−FIRST FINALE− 大庭 明子 おおば あきこ

■ 制作年:1990年
■ 技法・材料:木版
■ サイズ [縦×横×奥行]:61.0 × 85.1cm
■ 作品番号:PR-039
■ 分野:版画

※「横浜画廊散歩」2024年10・11月号に掲載

1956年逗子市生まれ。1979年東京造形大学絵画科版画研究室卒業。国内での個展やグループ展のほか、スペイン(イビザグラフィック展、1984年)やポーランド(平和への青年芸術家展、1985年)、マケドニア(ビトラ国際版画トリエンナーレ、1994年)などヨーロッパでのグループ展でも作品を発表。また『ことばのくにのマジックショー』(アリス館、2008年)や『にくまんどっち?』(アリス館、2009年)などの絵本でイラストを手がけています。
本作品の中心には、タイトルのとおり一本のねじれた木が描かれています。地面をがっしりと捉えた根は足、太い幹は胴、そして空に向かって広げられた枝は腕や手に見立てられ、大地から吸い上げたエネルギーをぐるぐると回転する勢いに乗せて放出しているようです。この木に人々は身体を委ね、鳥や馬や魚、そして蜘蛛など多種多様な生き物が集っています。大庭の作品に特徴的な豊かな色彩を用いて描かれた人々や動物の中で、木は堂々とした風格をもってあらわされています。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1992年「よこはまの作家たち’92」