収蔵作品 今月の1点
SL開通(明治5年)「横浜−新橋 30K」 ヒサ クニヒコ ひさ くにひこ
■ 制作年:1978年
■ 技法・材料:マジック、水彩、紙
■ サイズ [縦×横×奥行]:72.6 × 102.4cm
■ 作品番号:CA-037
■ 分野:漫画
■ 技法・材料:マジック、水彩、紙
■ サイズ [縦×横×奥行]:72.6 × 102.4cm
■ 作品番号:CA-037
■ 分野:漫画
※「横浜画廊散歩」2024年12月・2025年1月号に掲載
ヒサクニヒコは、1944年東京生まれ。小学二年生で転居して以来、横浜に住む漫画家です。恐竜研究家としても知られ、自然や動物への深い関心を持ち世界各地を旅してきました。
本作は、1978年に当館で開催された「ヨコハマ漫画フェスティバル」に出品された作品です。柳原良平の声がけで企画されたこの展覧会では、〈漫画集団〉のメンバーを中心に漫画家やイラストレーターが一堂に会し、横浜の事始めや今昔、名所などのテーマのもと一コマ漫画を制作、展示されました。
ヒサが取り上げているのは、1972年日本初の鉄道開通です。新橋-横浜間が53分で結ばれ、現在の桜木町駅付近に「横濱停車場」が開業しました。イギリスから輸入された機関車と客車、線路など、当時はすべて目新しいものでしたが、停車場の周りにはいまだ江戸時代の風情を残す野毛の町がありました。作中の機関士は、機関車と同じようにモクモクと煙を上げる焼きサンマを、着物姿の女性に届けています。ほのぼのとしたフィクションのなかに、当時の人々が感じたであろう新時代の移動速度への驚きや、近代化と庶民生活の対比がユーモラスに表されています。
- 横浜市民ギャラリーでの展覧会:
- 1978年「ヨコハマ漫画フェスティバル」