収蔵作品 今月の1点

カモメの群舞 ©Yokohama Civic Art Gallery

カモメの群舞 五十嵐 英壽 いがらし えいじゅ

■ 制作年:1968年
■ 技法・材料:ゼラチン・シルバー・プリント
■ サイズ [縦×横×奥行]:32.0 × 47.5cm
■ 作品番号:PH-045
■ 分野:写真

※「横浜画廊散歩」2024年8・9月号に掲載

五十嵐は1931年北海道生まれ。1952年に神奈川新聞社に入社し、写真部記者として横浜の景色を撮影し続けました。1952年はサンフランシスコ平和条約が発効した年でもあり、横浜は接収解除に伴って建物の建て替えなどが次々と行われ、大きな変化の時を迎えていました。そうした中で五十嵐が注目したのが、旅客船や貨物船が海外からも多数来航する横浜港でした。
本作品に写されているのは、コンテナなどを大量に積んだ大型船を受け入れるため、山下ふ頭に続き1963年に建設工事が始められた本牧ふ頭です。埋め立て工事のため、海底から砂とともに掘り出された貝に夥しい数のカモメが群がる様子は、たくさんの物品が往来する横浜港の姿を予感させます。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1988年「横浜上海美術交流展」
1989年「五十嵐英壽写真展 よこはま・みなとの唄」
1990年「横浜オデッサ美術交流展」
1992年「横浜コンスタンツァ美術交流展」
1993年「横浜サンディエゴ美術交流展」