収蔵作品 今月の1点
ベンチシリーズ 5 海老原 暎 えびはら えい
■ 制作年:1975年
■ 技法・材料:リトグラフ
■ サイズ [縦×横×奥行]:63.6 × 81.3cm
■ 作品番号:PR-035
■ 分野:版画
■ 技法・材料:リトグラフ
■ サイズ [縦×横×奥行]:63.6 × 81.3cm
■ 作品番号:PR-035
■ 分野:版画
※「横浜画廊散歩」2022年3月号に掲載
海老原は1942年、東京都生まれ。1965年に多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業、1972年にはパリのエコール・デ・ボザールでリトグラフの研修を受けました。70年代初頭、まだ抽象表現主義の影響が色濃く残る中で、具象的なイメージの作品を制作・発表した海老原は、1971年の個展「殺人現場見取り図展」で注目されました。
本作は1977年にまとまって発表された「ベンチシリーズ」の一作です。こちらに背を向け、屋外のベンチに腰掛ける男女が描かれています。人物の服の皺や髪の毛、地面に色濃く伸びる影の中の土の質感や雑草などが細かに描写されていますが、地面から上の風景は全て排されています。空白により強調された二人は、まるで彼らだけの世界にいるようです。表情は見えませんが、女性は体を男性の方に向け、親しく会話が交わされているように見受けられます。
- 横浜市民ギャラリーでの展覧会:
- 1970年「今日の作家70年展」
- 1975年「今日の作家〈静物〉展」