新・今日の作家展2019 対話のあとさき New “Artists Today” Exhibition 2019: The Ongoing Dialogue
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概要
本年は「対話のあとさき」を副題に、国内外で活動する4組の作家により構成します。制作の過程で出会う人やもの、場所、出来事、歴史に向き合い、時に対話を繰り返しながらつくられる作品は、作家の意識を超えて様々な意味や価値が生じ、そのかたちをつくり上げながらも変容していく可能性を秘めています。そして、作品を見る私たちにも新たな対話をもたらしていきます。
建築に内在する時代性や政治性をひも解き、歴史を再考しながら複数の視点や声を重ね合せてひとつの作品として提示する鎌田友介。何気ない光景や人びとの姿など、対象と直接の言葉を交わさず日常を掬い上げるようなスナップショットを撮り続けてきた原美樹子。双子のユニットで活動を展開し、“私”と“他者”を遠ざけるメディアに着目しながら、その距離感や境界を作品に反映する守章。東日本大震災以降、故郷・福島県相馬市と東京を行き来しながら目にした風景を描いた連作や、伝統行事の相馬野馬追を主題にした水墨画を制作する門馬美喜。
本展は、作家や作品、また展覧会全体を通じて、コミュニケーションの在り方、他者や共同体との関係性、つながりを見つめ直し、異なる価値観の共有とその可能性を探ります。
- 日程
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- 開場時間
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〜 (入場は17:30まで)
- 休館日
- 会期中無休
- 入場料
- 入場無料
- 会場
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横浜市民ギャラリー 展示室1、B1
〒220-0031 横浜市西区宮崎町26番地1
- 主催
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横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団/西田装美株式会社 共同事業体)
- 助成
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公益財団法人花王芸術・科学財団芸術文化振興基金
- その他
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関連イベント
対談「対話のプラットフォームとしての美術、建築」
鎌田友介×五十嵐太郎(建築史・建築批評家/東北大学大学院教授)
2019年9月21日(土)15:00〜16:30
会 場|4階アトリエ
※参加無料・申込不要
対談「時の厚み、時の手触り—「スナップショット」に託すもの」
原美樹子×倉石信乃(写真史・写真批評家/明治大学教授)
2019年9月28日(土)15:00〜16:30
会 場|4階アトリエ
※参加無料・申込不要
鼎談「二核的な同一主体の隔たりについて」
守章(守 雅章+守 喜章)×岡村恵子(東京都写真美術館学芸員)
2019年10月6日(日)15:00〜16:30
会 場|4階アトリエ
※参加無料・申込不要
学芸員によるギャラリートーク
2019年9月29日(日)14:00〜14:30
会 場|展示室1,B1
※参加無料・申込不要
ワークショップ「建築廃材で木製ブックスタンドをつくる」
講 師|門馬美喜
2019年10月5日(土)14:00〜16:00
会 場|4階アトリエ
対 象|小学生以上(10歳未満は保護者同伴)
定 員|20名(応募多数の場合は抽選)
申込締切|9/16(月)
※申込みは、直接来館でも受付けます。4階事務室までお越しください。
※締切後、当選の連絡を受けた方が講座に参加できます。
※締切日を1週間過ぎても返信がない場合はお問合せください。
※定員に達していない場合は、講座開催日の前日まで電話での申込みを受付けます(先着順)。
記録集について
「新・今日の作家展2019 対話のあとさき」の展示風景と関連イベントの様子を収めた記録集を作成しました。
記録集をご希望の方は、横浜市民ギャラリーまでお問合せください(限定30部、先着順)。
※受付けを締切りました。
B5サイズ/30ページ(カラー/図版9頁、モノクロ/テキスト21頁)/横浜市民ギャラリー発行
掲載内容:
―鎌田友介、原美樹子、守章、門馬美喜 展示風景(図版)
―対談「対話のプラットフォームとしての美術、建築」鎌田友介×五十嵐太郎(テキスト)
―対談「時の厚み、時の手触り―「スナップショット」に託すもの」原美樹子×倉石信乃(テキスト)
―鼎談「二核的な同一主体の隔たりについて」守章(守雅章+守喜章)×岡村恵子(テキスト)
―ワークショップ「建築廃材で木製ブックスタンドをつくる」講師:門馬美喜(図版)
編集:大塚真弓(横浜市民ギャラリー学芸員)、デザイン:川村格夫(ten pieces)、撮影:加藤健
※限定30部、無料(お一人様1冊まで。送料はご負担いただきます)
問合せ先:横浜市民ギャラリー
〒220-0031 横浜市西区宮崎町26-1
TEL:045-315-2828
作家プロフィール
(2021年4月1日 更新)
(2021年4月1日 更新)
(2021年4月1日 更新)
(2021年4月1日 更新)
開催レポート
「新・今日の作家展 2019」では、「対話のあとさき」を副題に国内外で活動する4作家により構成し、計48作品を展示しました。
鎌田友介さんは、日本家屋をテーマとするプロジェクト「The House」を進行する過程で、韓国とアメリカで制作された映像、現地で収集した木材や資料によって展示を構成し、今日まで続く歴史的事象にアクセスするためのプラットフォームを提示しました。原美樹子さんは、2009年から2019年までの間に撮影した匿名性の高いスナップ写真およそ40点を選び、写真をみる人の記憶や感情に触れるようなイメージを並置することによって、来場者の対話を誘発しました。ユニット・守章は、双子という身近な他者である兄弟の間の距離感や境界、関係性をテーマに「音」によるインスタレーションを展開し、二人の対話が来場者に繋がっていくような体験の場を生み出しました。門馬美喜さんは、東京都と故郷・福島県相馬市にそれぞれ構えているアトリエを定期的に往復し、刻々と変化する風景と対話しながら描いた作品を展示し、東日本大震災をはじめとする出来事に向き合い続ける視点をもたらしました。
関連イベントでは、各出品作家とゲストによる対談および鼎談をおこない、建築、写真、現代美術といった各分野の専門家を招き、出品作家の活動や作品、展覧会について理解を深める機会になりました。門馬さんが講師となり作品の素材としても使用している木材を活用したワークショップでは、子どもから大人までが参加し、展覧会鑑賞に加えて創作活動を楽しみました。
[展覧会データ]
新・今日の作家展2019 対話のあとさき
2019年9月20日(金)~10月12日(土)23日間 10:00~18:00
横浜市民ギャラリー 展示室1・B1
出品点数:48点
展覧会入場者数:4,114名+関連事業参加者266名=合計4,380名