収蔵作品 今月の1点
Diary:April 15th '88, in Cincinnati, U.S.A 野田 哲也 のだ てつや
■ 制作年:1988年
■ 技法・材料:木版、シルクスクリーン
■ サイズ [縦×横×奥行]:60.1 × 92.4cm
■ 作品番号:PR-209
■ 分野:版画
■ 技法・材料:木版、シルクスクリーン
■ サイズ [縦×横×奥行]:60.1 × 92.4cm
■ 作品番号:PR-209
■ 分野:版画
※「横浜画廊散歩」2023年12月・2024年1月号に掲載
野田は1940年熊本県生まれ。1965年東京藝術大学大学院絵画研究科油絵専攻修了。卒業後、自分の表現を求めて夏休みの絵日記に着想を得た版画作品を制作し始め、1968年より写真を取り入れた《日記》シリーズへと移行。同年第6回東京国際版画ビエンナーレで、外国人の夫人との婚約を記念し、互いの家族の肖像写真を用いて構成した《日記》の一作により、新人として国際大賞を受賞し注目を集めました。以後半世紀にわたり、同シリーズの制作を続けています。1978~2007年東京藝術大学で教鞭をとり、現在名誉教授(2023.11)。
タイトルに日付が付される《日記》シリーズは、作家がその日に目にした物や風景、出来事など生活の記録です。旅先のアメリカ・シンシナティの風景を収めた本作は、小高い場所から俯瞰する構図で、大きな空の余白と街の対比が印象的です。一見写真とも思えますが、「スケッチの代わり」という写真に手書きの描写を加えてシルクスクリーンで刷り、木版のやわらかな質感も重ねられています。カメラの眼を介した客観性を取り入れながら、何気ない日常の一コマが細やかな手作業によって刻まれています。
- 横浜市民ギャラリーでの展覧会:
- 1969年「今日の作家’69年展」
- 1974年「今日の作家〈’74選抜〉展」
- 1992年「横浜コンスタンツァ美術交流展」