収蔵作品 今月の1点

風呂帰り ©Yokohama Civic Art Gallery

風呂帰り 常盤 とよ子 ときわ とよこ

■ 制作年:1955年
■ 技法・材料:ゼラチン・シルバー・プリント
■ サイズ [縦×横×奥行]:39.9 × 25.9cm
■ 作品番号:PH-215
■ 分野:写真

※「横浜画廊散歩」2020年4月号に掲載

1928年横浜市生まれ。1950年東京家政学院卒業後、写真家・奥村泰宏と出会い、写真家として活動を始めます。1950年代に展開されたリアリズム写真運動の影響を受けながら、同時代に生きる女性の姿や取り巻く社会環境を撮影しました。

常盤は、ファッションモデルや女子プロレスラー、看護師など、さまざまな職業の人を撮るなかでも、赤線地帯で働く女性を多く写しています。女性たちが働く場所や生活する環境に通って撮影された写真には、彼女たちと時間を共有しながらもある一定の距離を保ち、当時の状況を伝えようとする写真家の眼を感じることができます。伊勢佐木町裏で撮影された本作には、女性と一緒に子供たちがフレーミングされており、暮らしに見る何気ない光景がとらえられています。

長年にわたる神奈川・横浜の写真文化発展への貢献から、2003年に横浜文化賞、2014年に神奈川文化賞を受賞。2019年逝去。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1982年 「横浜上海美術交流展」
1988年 「横浜美術展・横浜百景展」
1990年 「横浜オデッサ美術交流展」
1992年 「横浜コンスタンツァ美術交流展」

 

常盤とよ子インタビュー映像(2016年)