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※「横浜画廊散歩」2020年3月号に掲載
山梨県生まれ。1938年東京美術学校(現・東京藝術大学)油画科卒業後に浮世絵の複製を手がける高見沢木版社に就職しますが、5年後に召集。1953年結核のため療養所に入所し、その間独学で木版画の制作を始めました。初期の制作は木版社で学んだ技法を基にしていましたが、その後版木に建材やベニヤなどを貼り付ける製版法や、凸版が一般的だった木版の凹版化、本紙の裏から色を滲み出させる両面擦りなど独自の技法を多数創出し、後の版画表現に大きな影響を与えました。本作のような抽象表現に取り組む際、萩原は原画をつくらず、頭の中で組み立てながら版を彫り、摺り重ねていきました。木版のことを知り尽くした萩原ならではの手法です。