収蔵作品 今月の1点

完成近いベイブリッジ ©Yokohama Civic Art Gallery

完成近いベイブリッジ 國領 經郎 こくりょう つねろう

■ 制作年:1988年
■ 技法・材料:油彩、キャンバス
■ サイズ [縦×横×奥行]:80.4 × 116.7cm
■ 作品番号:O-070
■ 分野:油彩他

※「横浜画廊散歩」2026年8・9月号に掲載

 

穏やかな海の向こうに、大きな橋。よく見るとその橋はまだ繋がっていません。上空は濃い青色で、水平線近くはふんわりと色づき、澄んだ空気が感じられます。右からは大型のコンテナ船、左からは二隻の船。画面に人の気配はなく、手前にフェンスが描かれることによって、鑑賞者は岸辺に立っているような感覚になり、私たち自身がこの光景の目撃者であるように感じられます。 中央に描かれているのは、横浜ベイブリッジです。1981年に着工し、1989年9月に開通しました。本作の裏側には「1988.7」と記された署名があり、ベイブリッジが完成するおよそ1年前の姿であることがわかります。東京湾を東に望み、空が次第に明るくなっていることから、夜明けの様子だと推測されます。

國領經郎は横浜を代表する具象画家の一人として知られ、横浜国立大学で長く教鞭をとり、後進の育成に尽力しました。1950年代からは点描による表現を追求し、1970年代以降は砂丘や海を主要なモチーフとしました。

本作は、横浜・上海友好都市提携15周年を記念して1988年に横浜市民ギャラリーで開催された「横浜百景・横浜書展」に出品するために制作されました。横浜に長く住んだ國領が、静かな画面の中に、発展を遂げる街の移り変わりを丁寧な筆致で捉えています。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1968年「第1回春雷展」
1978年「國領經郎自選展」
1979年「横浜百景展」
1982年/88年「横浜上海美術交流展」
1990年「横浜オデッサ美術交流展」