新・今日の作家展2016 創造の場所-もの派から現代へ

横浜市民ギャラリー開設の1964年から40年にわたって開催した「今日の作家展」の新しい幕開けとなる「新・今日の作家展」第一弾では、既成の価値観や認識からものごとを解放し、ものともの、ものと空間、ものと身体の限りない連関をあらわす5名の作家の作品を紹介しました。
斎藤義重さん、榎倉康二さんの展示作品は、過去の「今日の作家展」に出品された作品です。制作されてから時間を経てもなお、それぞれの作品は、設置される空間に伴って新たな表情を見せていました。菅木志雄さん、池内晶子さん、鈴木孝幸さんは、本展にあわせて制作した新作を展示しました。普段意識することのないような場所の成り立ちや広がりを感じさせる作品を前に、じっくり鑑賞される方が多く見られました。
会期中には、池内さん、鈴木さんのアーティストトークや菅さんの初監督作品の上映会、「今日の作家展」の企画を手掛けたことのある千葉成夫さんの講演会など、展覧会の内容を充実させるイベントを開催しました。最終日のクロージングイベントでは、会場に溢れる程の人が集まり、作品が変容する現場に立会いました。
本展を通じ、横浜市民ギャラリー開設後まもなく現れた〈もの派〉の重要性、そして〈もの派〉の現在性について考える場をもたらすことができました。

新・今日の作家展2016 創造の場所―もの派から現代へ
2016年9月22日(木・祝)~10月9日(日)18日間 10:00~18:00
横浜市民ギャラリー 展示室1・B1
出品作品:11点
展覧会入場者:5,211名+関連事業参加者445名=合計5,656名


新・今日の作家展2016 創造の場所-もの派から現代へ

池内晶子《Knotted Thread-52knots-north-south-catenary-h330cm》
2015年 絹糸 撮影:椎木静寧
写真提供:gallery21yo-j ※参考作品

新・今日の作家展2016 創造の場所-もの派から現代へ

New “Artists Today” Exhibition 2016 Spaces of Creation Mono-ha to the Art of Today

斎藤義重 榎倉康二 菅木志雄 池内晶子 鈴木孝幸

2016年 9月22日(木・祝)– 10月9日(日)10:00~18:00(入場は17:30まで)
横浜市民ギャラリー 展示室 1、B1
入場無料 会期中無休

告知動画(0:50)

上段左:
鈴木孝幸《heaping earth -472》2015年
釘、テグス、各地にて採取した石、木、陶器片、ガラス片、金属片等
※参考作品

上段右:
菅木志雄《縁帯》1986/2015年 石、木
撮影:佐藤毅 ※参考作品

中段:
斎藤義重《内部》1981年 ラッカー、木、ボルト、紐 横浜美術館蔵

下段:
榎倉康二《無題》1979年 綿布、油彩 世田谷美術館蔵 撮影:上野則宏

横浜市民ギャラリー開館の1964年から40年にわたって開催した「今日の作家展」は、企画に美術評論家を招聘し日本の現代作家の表現を多角的に取り上げ、現代美術のひとつの流れを示す重要な足跡を残した年次展覧会です。表現の多様化に伴い「今日の作家展」は、2006年から「ニューアート展」、「ニューアート展 NEXT」へと受け継がれてきました。現在の場所に移転・再始動し3年目を迎えた本年、当ギャラリーは、年次展覧会の総称を再び「今日の作家展」として、同時代の美術を紹介していきます。
「新・今日の作家展」第一弾では、既成の価値観や認識からものごとを解放し、ものともの、ものと空間、ものと身体の限りない連関をあらわす作家たちの作品に焦点をあてます。1960年代後半に現れた〈もの派〉の作家たちは、「今日の作家展」を活動の場所のひとつとしていました。事物の存在や関係、それらが置かれる状況や空間自体を作品とし、ものの本質を問い続けた〈もの派〉の思想は、世界と向き合う糸口として今日の美術に脈々と流れています。
本展は、「今日の作家展」に出品された斎藤義重と榎倉康二の作品、そして菅木志雄、池内晶子、鈴木孝幸の新作により構成し、〈もの派〉から現代へとつながる”創造の場所”をめぐりながら、つくること・みることの可能性を探ります。

[関連イベント] ※すべて参加無料、申込不要


アーティストトーク

9月22日(木・祝)14:00~
会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ
出演:池内晶子、鈴木孝幸

上映会《存在と殺人》

(1998-1999年 監督・脚本:菅木志雄 86分)

10月1日(土)14:00~
会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ

講演会「もの派の造形思想の中核としての菅木志雄」

10月2日(日)14:00~
会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ
出演:千葉成夫(美術評論家、中部大学教授)


クロージングイベント

10月9日(日)
菅木志雄 アクティヴェイション 14:00~
池内晶子 “絹糸を切る” 16:00~
会場:横浜市民ギャラリー展示室1

※池内晶子は、出品作品を変容させていくパフォーマンスをおこないます。パフォーマンス前後で作品の外観が異なります。

学芸員によるギャラリートーク

9月25日(日)14:00~
会場:横浜市民ギャラリー 展示室1

YCAG音祭り2016 リレーションシップ1
B1コンサート MONO 石田泰尚

10月29日(土)15:00開演(14:30開場)

会場:横浜市民ギャラリー 展示室B1 / 
出演:石田泰尚(ヴァイオリニスト)
※詳細は決まり次第ホームページでお知らせします
(9月チケット発売予定)
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