横浜市民ギャラリー コレクション展2012 THE フェイス -収蔵作品に見る「顔」の表現-
《左から》
林 敬二「緑風根岸」1988年、油彩・キャンバス、72.5×60.5cm
奥村 泰宏「帰還兵とGI」1950年、ゼラチン・シルバー・プリント、34.2×34.2cm
川口 栄「疲れ」1973年、油彩・キャンバス、90.0×90.0cm
「横浜市民ギャラリーコレクション展」は、収蔵作品を年に一度公開する展覧会です。
横浜市民ギャラリーには、1964年の開館以来開催した展覧会の出品作品をはじめ、横浜・神奈川にゆかりのある作家の作品を中心に日本画、油彩画、版画、写真、素描、彫刻などおよそ1,300点の作品が収蔵されています。
2012年のコレクション展のテーマは「顔」です。人の顔や姿はその人を特定し、人物について知ろうとする上でとても重要な手がかりであり、いつの時代も「顔」は人々の関心をひきつけてきました。時代の大きな転換期を経験した昭和の一側面ならびに当時の横浜の様子を、おもに戦後から90年代初頭までに制作された絵画、写真、版画、素描、彫刻作品など多彩な収蔵作品に見出される人の顔の描写を通じて展観するものです。
本展は、「第一章:肖像―ある人物の 顔」「第二章:港・ヨコハマの 顔」「第三章:ひとり佇む 顔」「第四章:戦後・高度経済成長期・その後の 顔」の四章で構成され、人物を特定できる肖像のほか、港町横浜を擬人化したような作品、自身の内面を見つめるかのような静かに佇む人物を描いた作品、都市や農村で生きる人々を鋭く捉えた作品など、およそ60点をご紹介します。うつしとられた人物と作家との関係や、対象となった人と作家との距離はそれぞれ異なりますが、そこには共通して人の顔が描写されることで独特の存在感が宿り、さらには人物を通してその背後にある時代の諸相が雄弁に語られているものも少なくありません。また、当時をよく知る方にはもちろんですが、当時まだ生まれていない方々にもどこか「懐かしさ」を感じていただける展覧会となるのではないでしょうか。
会期中には収蔵作家・林敬二氏(2008年第57回横浜文化賞受賞)によるスペシャル・トークや担当学芸員によるギャラリー・トークなどの関連イベントを開催するほか、ボランティアによる鑑賞サポートも予定しています。
⇒ 2012年3月10日(土) 14:00~15:00 ゲスト:林 敬二(画家)
横浜市民ギャラリーの収蔵作家である林敬二氏をゲストに迎え作品制作の背景について語っていただきます。
1933年横浜市生まれ。1958年東京藝術大学油画科卒業、1960年同大学院修了。1961年独立美術協会賞受賞。1964~67年イタリア政府奨学留学生として渡伊。1982年第6回具象現代展で大賞受賞。1990年「林敬二の世界展」(池田20世紀美術館)開催。1996年安田火災東郷青児美術館大賞受賞。2008年第57回横浜文化賞受賞。現在、独立美術協会会員、女子美術大学名誉教授。
⇒ 2012年3月3日(土) 14:00~14:30
担当学芸員が展覧会の見どころについてお話します。お気軽にご参加ください。
※ほかにも、会期中ボランティアによる「鑑賞サポーター」(活動時間11時~14時)を実施する予定です。
2012年3月1日(木)~3月18日(日) (会期中休み無し)
10:00~18:00 (入室は17:45まで)
横浜市民ギャラリー 1・2階展示室
無料
横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
横浜市文化観光局、神奈川新聞社、tvk、RFラジオ日本、FMヨコハマ、
横浜市ケーブルテレビ協議会