横浜市民ギャラリーコレクション展2019  昭和後期の現代美術―1964~1989― YCAG Collection Exhibition 2019: Contemporary Art in the Late Showa 1964-1989

概要

横浜市民ギャラリーには約1,300点の所蔵作品があります。これらの作品は1964年の開館以来、企画展や国際展などの折に収蔵されたものです。横浜市民ギャラリーは、1989年の横浜美術館開館まで市内の美術施設として中心的な役割を果たしてきた側面があり、所蔵作品にも当時の横浜の美術シーンが反映されています。1989年は昭和の最終年にあたることから、当館の所蔵作品の背景には「昭和」が深く関わっているといえるでしょう。平成の最終年におこなう今回のコレクション展では、開館年より開催されてきた現代美術を紹介する年次企画展「今日の作家展」の出品作家の作品を中心におよそ50点を展示し、時代ごとの背景などを踏まえながら横浜を舞台に発表された当時─昭和後半期の表現を考察します。

特集展示【吉仲太造、その表現】
昭和後期を舞台に実験的な制作を続けた吉仲太造(1928-1985)の全収蔵作品を展示し、その表現や時代性を掘り下げます。

[出品予定作家]
秋岡美帆、池田龍雄、一原有徳、稲木秀臣、海老原瑛、大野増穂、岡田博、岡本太郎、小野木学、加藤清美、加納光於、清塚紀子、草間彌生、斎藤顕治、斎藤義重、坂口登、佐藤努、島州一、白井昭子、千田高詩、菅木志雄、高松次郎、中林忠良、馬場彬、宮脇愛子、村上善男、元永定正、山本美智代、吉田克朗、吉仲太造、若江漢字

吉仲太造《死の売り声(釘A)》1963年 新聞紙、釘、綿、白土顔料、パネル 181.5×181.8㎝

池田龍雄《連作BRAHMANより V章 点生》1981年 油彩、アクリル、紙 53.7 × 76.7㎝

斎藤義重《ボウパンC・青》1971年 合成樹脂、アルミ板 72.3 × 60.3㎝

中林忠良《転位’88-地-Ⅱ(横浜A)》1988年 エッチング、アクアチント 39.6 × 39.9㎝

高松次郎《青の線と面》1983年 ガッシュ、紙 46.6 × 64.8㎝ ©The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

村上善男《R気団 76-7》1976年 アクリル、コラージュ、キャンバス 194.0 × 130.0㎝

若江漢字《Winter》1990年 ステンシル 66.5 × 50.5㎝

岡本太郎《まひる》1963年 油彩、キャンバス 91.1×73.1㎝

菅木志雄《Spreading Wood ’86》1986年 木、自然石 440.0×240.0×42.5㎝

吉仲太造《夜》1974年 シルクスクリーン、油彩、キャンバス 91.7×116.8㎝

日程

開場時間

(入場は17:30まで)

休館日
会期中無休
入場料
入場無料
会場

横浜市民ギャラリー 横浜市民ギャラリー 展示室1・B1

〒220-0031 横浜市西区宮崎町26番地1

主催
横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団/西田装美株式会社 共同事業体)
その他

関連イベント

講演「1964年から:現代美術と横浜市民ギャラリー 吉仲太造を中心に」

2019年3月3日[日] 14:30~16:00
会場|横浜市民ギャラリー 4階アトリエ
出演|光田由里(美術評論家)

参加無料、申込不要

特集展示の吉仲太造を中心に、同時代の現代美術を振り返ります。

学芸員によるギャラリートーク

2019年3月10日[日] 14:00~14:30
会場|横浜市民ギャラリー 展示室1、B1

参加無料、申込不要

学芸員が展覧会の見どころや作品についてご紹介します。

鑑賞サポーターによるトーク

2019年3月9日[土]、16日[土] 14:00~
会場|横浜市民ギャラリー 展示室1、B1

参加無料、申込不要

ボランティア・メンバーが出品作品の魅力についてお話しします。

開催レポート

開館以来毎年開催してきた企画展「今日の作家展」の出品作家を中心に同展が扱ってきた現代美術の流れをたどりながら、時代背景や当時の美術を考察しました。

第1章「1964-1973(昭和39-48)」では初代市民ギャラリー時代に複数の批評家らが選んだ多様な作品、第2章「1974-(昭和49-)」では絵画に代わる概念として登場した〈平面〉作品、第3章「-1989(-昭和64)」では戦後拡大した版画表現や、教育文化センターで発表された大型の作品を紹介しました。特集展示「吉仲太造、その表現」では昭和後期を舞台に活躍した現代美術家・吉仲太造の全所蔵作品7点を展示しました。会場内と小冊子では中林忠良氏、若江漢字氏のインタビューを紹介しました。関連イベントの美術評論家の光田由里氏による講演「1964年から:現代美術と横浜市民ギャラリー 吉仲太造を中心に」、6名の鑑賞サポーターによるトーク、学芸員によるギャラリートークは、いずれも好評を博しました。

[展覧会データ]
横浜市民ギャラリーコレクション展2019 昭和後期の現代美術 1964-1989
2019年3月1日(金)~17日(日)全17日間 10:00~18:00
横浜市民ギャラリー 展示室1・B1
出品点数:47点
展覧会入場者数4,385名+関連事業参加者数91名=4,476名
ボランティア人数:のべ11名

関連資料