開館45周年記念 横浜市民ギャラリーコレクション展2010 ほとばしるエネルギー横浜市民ギャラリーをかけぬけたアヴァンギャルドたち-1960~80年代を中心に-
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概要
横浜市民ギャラリーの開館は東京オリンピックが開かれた1964年にさかのぼります。国内では高速道路など様々な社会資本が整備され、戦後の混乱期を脱して高度経済成長・国際化へと向う風潮の中、戦後間もない1949年よりおこなわれていた「読売アンデパンダン展」が中止となるなど、美術界は転換期にさしかかりつつありました。横浜市民ギャラリーでは開館直後より、外部のキュレーターを招聘して「今日の作家展」や地域の作家の個展など、様々な展覧会を開催してきました。
当館のコレクションは、これらの展覧会をきっかけに収蔵されたものが大半です。その中には当時アヴァンギャルド―前衛芸術といわれたものも少なくありません。今では各地に数々の公立・私立の美術館やギャラリーがありますが、1960年代から80年代にかけて横浜市唯一の公立美術施設であった横浜市民ギャラリーでそのような前衛的な表現を紹介すること自体、全国的にもたいへん目新しいことでした。作家たちには数少ない発表の場として認識されており、彼らのあふれ出るようなエネルギーに満ちた作品が一堂に並んだ展覧会場はさぞかし圧巻だったと思われます。本展覧会は、横浜市民ギャラリー開館45周年を記念し、60年代から80年代にかけて当館で発表され、その後収蔵されたアヴァンギャルドたちの作品をご紹介します。出品作品を通し、作家一人ひとりが内包していた表現に対する意欲、当時の美術界や社会のエネルギッシュで変化に満ちた様相を改めて振り返ります。また開館45周年の節目にあたって、美術家や文化人が集う場としても親しまれてきた横浜市民ギャラリーの活気あふれる側面を掘り起こし、再認識する機会とします。
[出品作家]
靉嘔、池田龍雄、池田満寿夫、稲木秀臣、岩見禮花、江見絹子、岡田博、岡本太郎、鎌田方晴、加山四郎、清塚紀子、草間彌生、黒田茂樹、斎藤顕治、齋藤寿一、斎藤義重、佐藤努、菅木志雄、高間惣七、田代利夫、栃木順子、中村好宏、馬場彬、平野杏子、古川益弘、松本旻、緑川廣太郎、宮本昌雄、宮脇愛子、村上善男、元永定正、森兵五、油野誠一、吉仲太造、ユーリー・ワシーリエフ、若江漢字、渡辺豊重
- 日程
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- 開場時間
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- 入場料
- 入場無料
- 会場
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横浜市民ギャラリー (1974年7月~2013年3月) 1、2階展示室
横浜市中区万代町1-1 教育文化センター内
- 主催
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横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
- 後援
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横浜市市民活力推進局神奈川新聞社tvkRFラジオ日本FMヨコハマ横浜市ケーブルテレビ協議会
関連イベント
トークセッション「アヴァンギャルドをやっつけろ」
長年横浜を中心に活躍してきた稲木秀臣と、気鋭の美術評論家・福住廉による参加者も巻き込んだトーク・セッション!近年死語となりつつ「アヴァンギャルド」をキーワードに、60~80年代そして今日の美術や社会の状況について語り合います。
日時:2010年3月7日(日) 14:00~15:30
会場:横浜市民ギャラリーコレクション展会場内
講師:稲木秀臣(京都あんでぱんだん展初代運営委員)、福住廉(東京藝術大学音楽環境創造科非常勤講師)
申込方法:申込不要
参加費:無料
稲木秀臣(いなき・ひでおみ)
1932年京都生まれ。1956年京都あんでぱんだん展初代運営委員。1957年岡本太朗の招きで二科展出品。1962年吉仲太造・馬場彬らの集団α結成に参加。横浜市民ギャラリーでは1968年「集団個展春雷展」。1976年「今日の作家展’76今日の空間展」、1977年「稲木秀臣展」などで紹介。その他今日まで国内外で個展など多数。
福住廉(ふくずみ・れん)
1975年東京生まれ。東京藝術大学音楽環境創造科非常勤講師。九州大学大学院比較社会学府博士後期過程単位取得退学。「美術手帖」、「artscape」などに寄稿する一方、連続企画展「今日の限界芸術論」(ギャラリーまき、東京)企画などで活躍。著書に『今日の限界芸術』(BunkART1929、2008年)
学芸員によるギャラリー・トーク
日時:2010年3月12日(金) 14:00~15:00
会場:横浜市民ギャラリー コレクション展会場
申込方法:申込不要
参加費:無料
開催レポート
入場者数:5,119名
出品点数:40点
ボランティア参加者数:40名(のべ199名)
トーク・セッション「アヴァンギャルドをやっつけろ」 3月7日(日):64名
学芸員によるギャラリー・トーク 3月12日(金):24名