収蔵作品 今月の1点

二人 中村 正義 なかむら まさよし
■ 制作年:1974
■ 技法・材料:セリグラフ
■ サイズ [縦×横×奥行]:9.0 × 10.7cm
■ 作品番号:PR-203
■ 分野:版画
■ 技法・材料:セリグラフ
■ サイズ [縦×横×奥行]:9.0 × 10.7cm
■ 作品番号:PR-203
■ 分野:版画
※「横浜画廊散歩」2025年10・11月号に掲載
中村正義は1924年、愛知県豊橋市生まれ。1946年から日本画家の中村岳陵に師事し、日展で2度(1950、1952年)特選を獲得するなど、その後の活躍が大いに期待されました。しかし旧態依然とした日本画壇の体制に疑問をもち、1961年に日展を脱退。同年に川崎市へ居を移しました。
伝統や格式を重んじる環境から脱した中村の作品には、原色や蛍光塗料などを用いた大胆な色彩が用いられるようになりました。本作品の原画である油彩画(1964年作、中村正義の美術館蔵)は、まさしくこの転換期に描かれたものです。全身像で描かれた二人は、こちらを見ながら笑っているようです。全体に簡略化された表現の中で、微妙なニュアンスをたたえた表情には、画業初期から人物、特に顔の主題に向き合い続けた中村の特徴があらわれています。
- 横浜市民ギャラリーでの展覧会:
- 1967年 「今日の作家’67年展」
- 1976年 「中村正義展」