収蔵作品 今月の1点

ボウパンA・白 ©Yokohama Civic Art Gallery

ボウパンA・白 斎藤 義重 さいとう よししげ

■ 制作年:1971年
■ 技法・材料:合成樹脂、アルミ板
■ サイズ [縦×横×奥行]:72.7 × 60.6cm
■ 作品番号:PR-115
■ 分野:版画

※「横浜画廊散歩」2022年1月号に掲載

1904年、青森県生まれ。1930年代から既成概念に捉われない制作を始め、60年代前半、着色した合板の表面に電気ドリルで線や穴を刻んだ連作を発表した後、塗装した合板を切って重ねたり曲げたりするレリーフ状の作品へと移行します。本作は70年代前半のシリーズで、塩化ビニールを製造する工場でアルミ板に合成樹脂を重ねて制作されており、絵画とも版画ともとれる様相を帯びています。フランス語で〈beau pin〉、日本語で〈美しい松〉を意味するタイトルは、完成した作品を見て感心した斎藤が、工場の社名の一字〈松〉をとって付けたとされています。革新的であり続けたその姿勢は、多摩美術大学をはじめとする教育の現場で次世代の作家たちに影響を与えました。
横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1981年「今日の作家<壁>展」
1990年「横浜オデッサ美術交流展」
1993年「横浜サンディエゴ美術交流展」