1964(昭和39)年に開館した横浜市民ギャラリーは、1989(昭和64/平成元)年の横浜美術館開館まで市内の美術施設として中心的な役割を果たしてきた側面があり、そのため当館が企画展や国際展の折に収集してきた所蔵作品には当時―昭和後期の美術史が反映されています。コレクション展2019では開館以来毎年開催してきた企画展「今日の作家展」の出品作家を中心に同展が扱ってきた現代美術の流れをたどりながら、時代背景や当時の美術を考察しました。
第1章「1964-1973(昭和39-48)」では初代市民ギャラリー時代に複数の批評家らが選んだ多様な作品、第2章「1974-(昭和49-)」では絵画に代わる概念として登場した〈平面〉作品、第3章「-1989(-昭和64)」では戦後拡大した版画表現や、教育文化センターで発表された大型の作品を紹介しました。特集展示「吉仲太造、その表現」では昭和後期を舞台に活躍した現代美術家・吉仲太造の全所蔵作品7点を展示しました。会場内と小冊子では中林忠良氏、若江漢字氏のインタビューを紹介しました。関連イベントの美術評論家の光田由里氏による講演「1964年から:現代美術と横浜市民ギャラリー 吉仲太造を中心に」、6名の鑑賞サポーターによるトーク、学芸員によるギャラリートークは、いずれも好評を博しました。
[展覧会データ]
- 横浜市民ギャラリーコレクション展2019 昭和後期の現代美術 1964-1989
- 2019年3月1日(金)~17日(日)全17日間 10:00~18:00
- 横浜市民ギャラリー 展示室1・B1
- 出品点数:47点
- 展覧会入場者数:展覧会入場者数4,385名+関連事業参加者数91名=4,476名
- ボランティア人数:のべ11名
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横浜市民ギャラリーには約1,300点の所蔵作品があります。これらの作品は1964年の開館以来、企画展や国際展などの折に収蔵されたものです。横浜市民ギャラリーは、1989年の横浜美術館開館まで市内の美術施設として中心的な役割を果たしてきた側面があり、所蔵作品にも当時の横浜の美術シーンが反映されています。1989年は昭和の最終年にあたることから、当館の所蔵作品の背景には「昭和」が深く関わっているといえるでしょう。平成の最終年におこなう今回のコレクション展では、開館年より開催されてきた現代美術を紹介する年次企画展「今日の作家展」の出品作家の作品を中心におよそ50点を展示し、時代ごとの背景などを踏まえながら横浜を舞台に発表された当時─昭和後半期の表現を考察します。
出品予定作家
池田龍雄、一原有徳、稲木秀臣、岡田博、
岡本太郎、加納光於、草間彌生、斎藤義重、
佐藤努、島州一、菅木志雄、高松次郎、中林忠良、
宮脇愛子、村上善男、元永定正、吉田克朗、
吉仲太造、若江漢字 他
特集展示
吉仲太造、その表現
昭和後期を舞台に実験的な制作を続けた吉仲太造(1928-1985)の全収蔵作品を展示し、その表現や時代性を掘り下げます。
関連イベント
(いずれも参加無料、申込不要)講演「1964年から:現代美術と横浜市民ギャラリー 吉仲太造を中心に」
- 3月3日[日] 14:30~16:00
- 会場|横浜市民ギャラリー 4階アトリエ
- 出演|光田由里(美術評論家)
特集展示の吉仲太造を中心に、同時代の現代美術を振り返ります。
学芸員によるギャラリートーク
- 3月10日[日] 14:00~14:30
- 会場|横浜市民ギャラリー 展示室1、B1
学芸員が展覧会の見どころや作品についてご紹介します。
鑑賞サポーターによるトーク
- 3月9日[土]、16日[土] 14:00~
- 会場|横浜市民ギャラリー 展示室1、B1
ボランティア・メンバーが出品作品の魅力についてお話しします。