横浜市民ギャラリーコレクション展2011 建築・土木のある風景 絵で見る横浜のまち

概要

明治以来の近代都市である横浜には、魅力ある建築・土木建造物が数多くあります。横浜市民ギャラリーは、横浜を描いた風景画を多数収蔵していますが、本展覧会は中でも横浜にある建築や道路や鉄道、橋や港湾など土木建造物が描かれた作品に焦点をあてます。登場する建物や建造物は現在も現存するものがほとんどですが、その外観、また周囲の環境が少なからず変化しており、郷愁を誘う一方で、変わらない姿に感動を覚える作品も散見されます。また、人物画の背景として描きこまれた建築や土木建造物を探すことで、新たな発見ができるかもしれません。
今回は、油彩、日本画に加え「横浜開港120周年記念 横浜百景展」(1979年)で発表された、地域の画家による素描作品を特集します。水彩絵具や鉛筆など、簡易な材料を用いて短時間で描かれた素描には、油彩や日本画とはまた異なった魅力があります。この素描特集にはボランティアが参画し、出品作品の一部について解説パネルを作成します。
建築や土木建造物は、街を形づくる上で欠かせない要素で、街と共に発展してきたことから、存在そのものが歴史を内包しています。そうした明確なモチーフを描きながら、作家ごとに異なるイメージが生まれるのが、美術作品の面白さです。作家の主観や思いが投じられ、独自の手法で描かれた作品には、作家のまなざしがとらえた横浜の姿―建築・土木のある風景が映されているといえるでしょう。

建築・・・家屋、ビルなどの建物をつくること、およびその建物のこと。
土木・・・土木工事・工学の略称。道路、鉄道、上下水道、河川、橋梁、港湾など土石・木材・鉄材などを用いておこなう建設を指す。

[出品作家]
青木一美、青木四郎、浅生田光司、天笠義一、安保健二、石踊紘一、市川勉、市川保道、今関一馬、入江正巳、岩田栄之助、遠藤典太、大山鎮、岡村芳男、川島実、小島昇、櫻庭彦治、柴田善登、島田正次、島田四郎、添田定夫、高梨潔、田辺謙輔、寺井重三、土井俊泰、富岡克雄、中谷龍一、長宗希佳、馬場檮男、浜田三郎、浜田泰介、林敬二、福地敬二、星野鐵之、堀江佑造、益井三重子、宮本昌雄、森秀男、森兵五、山本貞、山崎秀夫、横山清治

益井三重子《風薫る》1988年/紙本着彩/128.0×72.0cm

天笠義一《横浜港》1982年/油彩、キャンバス/97.0×130.0㎝

宮本昌雄《旧英国領事館》1979年/墨、パステル、紙/39.6×29.2m

日程

開場時間

入場料
入場無料
会場

横浜市民ギャラリー (1974年7月~2013年3月) 3階C展示室

横浜市中区万代町1-1 教育文化センター内

主催
横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
協賛
株式会社竹中工務店県民共催
後援
横浜市市民局神奈川新聞社tvkRFラジオ日本FMヨコハマ横浜市ケーブルテレビ協議会
協力
清水建設株式会社日本聖公会横浜山手聖公会社団法人 神奈川県建築士会

関連イベント

スペシャル・トーク「横浜の近代化と産業-砂利とパンから都市をみる」

建物や土木的施設、何気ない日常風景のなかに、近代という時代の新しい生命がある。その新しさに、“砂利”と“パン”をキーワードに迫ります。

 

日時:2011年3月6日(日) 14:00~15:30
講師:内海孝(第59回横浜文化賞受賞(2010年度学術部門)・東京外国語大学教授)

定員:40名

参加無料ですが、予約で席の確保も可能です。

スペシャル・トーク「横浜の建築・土木・景観資産と都市デザイン」

横浜市は1970年代から都市デザイン活動を開始し、開港以来の伝統を代表する港や建造物などの空間的遺産を保存活用し、「未来と過去の共存する」街の構築を目指してきました。その視点やプロセスなどを語ります。

 

日時:2011年3月11日(金) 15:00~16:30
講師:国吉直行(横浜市都市整備局上席調査役エグゼクティブアーバンデザイナー・横浜市立大学特別契約教授)

定員:40名

参加無料ですが、予約で席の確保も可能です。

※同日、東日本大震災発生のため開催中止

学芸員によるギャラリー・トーク

企画担当学芸員が展覧会の見どころなどをお話します。

 

日時:2011年3月4日(金)、18日(金) 14:00~14:30
申込方法:予約不要

※3月18日(金)は東日本大震災発生に伴い開催中止

開催レポート

入場者数:1,725名(※3月11日に東日本大震災が発生したため、会期9日間)
出品点数:61点
ボランティア参加者数:21名
学芸員によるギャラリー・トーク 3月4日(金):17名
スペシャル・トーク「横浜の近代化と産業-砂利とパンから都市をみる」 3月6日(日):32名
スペシャル・トーク「横浜の建築・土木・景観資産と都市デザイン」 3月11日(金):東日本大震災のため中止
学芸員によるギャラリー・トーク 3月18日(金):東日本大震災のため中止

※東日本大震災発生のため中止となったスペシャル・トーク「横浜の建築・土木・景観資産と都市デザイン」は翌年開催→2012年3月7日(水):52名

関連資料