横浜市民ギャラリー収蔵作品展2004 創立40周年記念 特別展示 川村信雄とその画塾/現代の版画と写真

概要

1階展示室 :創立40周年記念 特別展示 川村信雄とその画塾
2階展示室 :収蔵品展示 現代の版画と写真

横浜市民ギャラリーでは、1964年の開設以来、横浜ゆかりの作家や未来の美術界を担う作家の企画展などを行い、関連の美術作品を集めてきましたが、常設展示室を持たず、公開の機会が少ないことから、所蔵する1,200点余りの美術作品の中からその一部を年一度の収蔵作品展で皆様にご覧いただいています。
今年度は横浜市民ギャラリーの創立40周年を記念して、大正時代から戦後の復興期にかけて横浜の画壇の形成に尽力した油彩画家・川村信雄(1892~1968)の仕事を振り返る、特別展示を1階展示室に設けます。
川村信雄は、アカデミックな画風を主流とした太平洋画会研究所に学びますが、20才の時、同世代の岸田劉生や川上涼花らと共に、ヒュウザン会の創立(1912)に加わり、後期印象派の影響を受けた革新的な画風に接しました。同会の解散後は、特定の潮流に身を置かず、文展・帝展に出品し、信州や伊豆の穏やかな風景や、奈良や京都の寺院、アトリエの静物などを描きながら、近代的リアリズムの体得を目指しました。1916年頃に横浜の御所山に移り住んでからは、1919年の横浜美術協会の創立に関わるなど、終生、横浜の美術界の発展に力を注ぎました。また、1925年に弘明寺に転居すると、戦前の横浜では唯一だったと言われる本格的な画塾を自宅に併設し、戦中・戦後を通じて、若い画家や美大受験生の指導にあたりました。川村信雄の人柄による大らかで温かい画塾の雰囲気は、多くの画家たちの精神的なよりどころともなったそうです。
特別展示では、横浜市民ギャラリーが収蔵する川村信雄作品2点に加えて、外部からも川村信雄の作品32点を借用して展示します。加えて、少年時代に川村画塾に通った思い出を持つ兵藤和男や、太平洋美術会の後輩として川村画塾を会場にした自主的な研究会に参加していた高梨潔など、川村画塾にゆかりの横浜の画家たちの作品を、収蔵作品の中から展示します(9点)。
2階展示室では、収蔵作品の中から、現代の版画と写真を展示します(48点)。

[出品作家]
・創立40周年記念 特別展示 川村信雄とその画塾
川村信雄、浅見信夫、大山鎮、島田正次、志村計介、高梨潔、中島千波、林敬二、日向茂生、兵藤和男

・収蔵品展示 現代の版画と写真
秋山庄太郎、奥村泰宏、常盤とよ子、林忠彦、田辺和郎、長谷川潔、馬場檮男、深沢幸雄、山口啓介、由木礼、利渉重雄

晩年の川村信雄 (撮影 安藤不二夫氏)「川村信雄遺作展」(1969.7.18~24有隣堂ギャラリー) 図録より転載

川村信雄《横浜走馬灯》1959年/油彩、キャンバス/97.9×130.5㎝ 横浜市民ギャラリー蔵

日程

開場時間

入場料
入場無料
会場

横浜市民ギャラリー (1974年7月~2013年3月) 1、2階展示室

横浜市中区万代町1-1 教育文化センター内

主催
横浜市民ギャラリー
後援
神奈川新聞社NHK横浜放送局tvk(テレビ神奈川)RFラジオ日本FMヨコハマ横浜市

開催レポート

入場者数:3,960名
出品点数:91点
ボランティア参加者数:24名(のべ144名)

関連資料