横浜市民ギャラリー収蔵作品展2003 見ましたか、収蔵作品展

概要

横浜市民ギャラリーでは、1964年の開設以来、横浜ゆかりの作家や未来の美術界を担う作家の企画展などを行い、関連の美術作品を集めてきましたが、常設展示室を持たず、公開の機会が少ないことから、年一度の収蔵作品展で皆様にご覧いただいています。2003年度は、大倉山記念館と横浜市民ギャラリーの2会場で開催します。
横浜市民ギャラリー会場では、1階、2階の展示室に、油彩画、日本画、写真、版画85点 を展示します。
また、当市民ギャラリーが主催する最近の展覧会では、ボランティアが活躍しています。今回の収蔵作品展では、出品作家や作品に関する情報提供や受付が主な活動です。

[出品作家]
市川勉、江見絹子、岡本太郎、金子謙一、川村信雄、木下孝則、倉石隆、國領經郎、坂口登、阪本文男、佐藤努、芹沢龍吉、添田定夫、高間惣七、中谷龍一、兵藤和男、緑川廣太郎、石踊紘一、入江正巳、牛田雞村、大山鎮、岡本彌壽子、中島清之、宮本昌雄、磯見輝夫、斎藤義重、高松次郎、田嶋宏行、萩原英雄、長谷川潔、山口啓介、奥村泰宏、須田一政、常盤とよ子、林忠彦、森日出夫
日程

開場時間

入場料
入場無料
会場

横浜市民ギャラリー (1974年7月~2013年3月) 1、2階展示室

横浜市中区万代町1-1 教育文化センター内

主催
横浜市民ギャラリー

開催レポート

入場者数:4,419名
出品点数:85点
ボランティア参加者数:34名(のべ294名)

[ボランティア連絡ノートから]
ボランティアと市民ギャラリー担当職員との間で毎日交わされた「連絡ノート」からその一部を紹介します。
「高間先生作品の前でしばらく立ち止まって『いや~なつかしい~』と何度か話されたご年配の方。若い頃絵を習いに高間先生のアトリエに通っておられ、尾の長い美しい鳥を5羽飼っておられたとのこと。『今日この絵に出会えて実にうれしい』ととても喜ばれて、「どうもありがとう」と何べんも言ってくださり、私は『よろしゅうございましたね、絵も先生もきっと喜ばれていられることでしょうね』と申し上げたら、『懐かしい思いをさせてもらった』とのことで、私もなんだかうれしくなってしまいました。」(ボランティア・成田幸さん)

「『添田先生の教え子です。大倉山のトークは定員オーバーで入れませんでした。今日はゆっくり拝見させていただきました。ありがとうございました。』といわれて帰られたお客様が有りました。お客様のよろこびの笑顔を見た時、サポートボランティアのお手伝いをして良かったと思いました。カンゲキ!!」(ボランティア・小笠原タカコさん)

「私達は度々同じポストについて作品を目にし、時間・空間を過ごしています。でもいらして下さるお客様にとっては新鮮な空間であり、作品との新しい出会いとなる訳です。私達の(良くも悪くも)慣れが、お客様の大切な時間に“かげり”を与えてしまわない様に、初心に戻って、作品、空間、お客様に接しましょう、と反省の日々です。」(ボランティア・緒方かおるさん)

[来場者のアンケートから]
質問「お気に入りの1点を教えてください」
会場でアンケートへのご協力をお願いしたところ、計316件(横浜市民ギャラリー222件、大倉山記念館94件)のご回答をいただきました。ご本人の承諾を得て掲載させていただきます。 

●林忠彦《犬を背負う子供たち 三宅坂・参謀本部跡》1946年 ゼラチン・シルバー・プリント 30.5×20.0cm
「戦後の時代の子供たちの表情と背負われている犬の表情が、白黒写真のコントラストの中に強いインパクトとして印象に残った。今より時の流れはゆるやかな時代で、草花の色が判るようで興味を覚えた。」(逗子市 永井節雄さん)

「犬を背負う子供たちをみて空腹時のひもじい中でも優しい気持を失わない純真な子供たちの姿に感じ入りました。」(港北区 豊田弘毅さん)

●中谷龍一《山手風景》1988年 油彩・キャンバス 117.0×91.0cm
「全てを描くのではなく、省いた所により、風景らしさを感じました。」(港北区  佐々木恵美子さん)

「横浜の絵は沢山知っておりますが、風を感じる絵で良かったと思います。」(磯子区 長谷樹子さん)

「全体が緑のトーンで統一されていて、見ていて安らぎを感じたことと、坂を登っていく女性の仕草が画面の中で生きていたこと。」(多賀城市 伊藤准一郎さん)

●阪本文男《帰ってからのアリスの遊び》1975年 油彩・キャンバス 130.3×162.1cm
「阪本文男さんは、私の高校の時の美術教師であり、私が絵の学校に進む指導をしていただきました。あの頃は先生の作品の良さが分かりませんでしたが、最近、先生の作品の素晴らしさを少しだけ理解できてきたようです。今日改めて作品を見せていただき、感無量でした。」(青葉区 加藤幸子さん)

●高間惣七《赤と青》1957年制作 油彩・キャンバス 145.5×97.0cm
「はじめ近づきすぎて見て、よくわからなかったが、離れてみて、放射線状に広がった太陽と思われる赤と回りのものが実にしっくりと溶け込んでいて、しばらく眺めていました。」(南区 古屋清さん)

「色の美しさ、にごっていない鮮明さがとても気に入りました。もし我が家に飾るとしたら、という観点で見てみましたが、やっぱりこの絵の前に立つと元気が出るような気がいたします。」(無記名)

関連資料