横浜市民ギャラリーコレクション展2026 戦後をあゆむ YCAG Collection Exhibition 2026: The Postwar Path

奥村泰宏《帰還兵とGI》 1950年 ゼラチン・シルバー・プリント 33.7×33.6cm

概要

2025年、日本は戦後80年を迎えました。横浜市民ギャラリーは1964年に開館し、60年を超える活動のなかで絵画や写真等、約1,300点のコレクションを形成してきました。本展ではそれら所蔵作品の中から、1930~1940年代の戦争の影響や戦時下の様子、戦後の社会について読み解くことができる絵画、写真、一コマ漫画など約60点の作品をご紹介します。さらに所蔵作家に関連する資料として、漫画家が終戦日の記憶や戦後の横浜の日常を描いた作品、小説家の手稿などを加えることにより、作家たちが戦争、社会、人々の営みをどのようにみつめ、表現してきたのかを深く掘り下げます。これらの作品を通して、戦後の日本を生きた人々の歩みをたどり、横浜の移り変わりを感じとることができるでしょう。
現在も世界では争いが絶えず起こり、社会は混迷を深めています。日本で起きた戦争も決して遠い過去の出来事ではありません。私たちは今なお、戦後という歴史から地続きの現代を生きています。このような時代にこそ、本展が私たち一人ひとりの平和への思いを深める機会となることを願っています。

※2月28日(土)13:30~15:00は朗読公演開催のため、B1Fの展示が見づらくなります。あらかじめご了承ください。


[章構成]
プロローグ
1. 作家がみつめた戦争
2. 描かれた戦後
3. 写された戦後の横浜
4. つづく戦後
〈特別出品〉書籍『私の八月十五日』シリーズより
〈特別出品〉ヒサクニヒコの横浜の記憶

[出品作家(所蔵作品)]
赤塚不二夫 五十嵐英壽 池田龍雄 岩田栄之助 奥村泰宏 木下孝則 小林治雄 佐藤努 島田四郎 鈴木健夫 平良孝七 田代利夫 ちばてつや 常盤とよ子 仁平廣 長谷川潔 英伸三 浜口タカシ 林忠彦 茨田茂平 ヒサクニヒコ 兵藤和男 松島一郎 緑川廣太郎 三橋兄弟治 宮本昌雄 森田拳次 八島一夫 矢野徳 山口啓介 山崎秀夫 若江漢字

三橋兄弟治《港》 1940年 水彩、紙 57.3×75.0cm

八島一夫《横浜大空襲500機 [450まで数えられるってどうでもよいのよ早く逃げて]》1978年 マジック、水彩、紙 102.7×72.4cm

岩田栄之助《終戦後の横浜港》 1947年 油彩、キャンバス 65.6×80.5cm

常盤とよ子《真金町遊郭初店》 1954年 ゼラチン・シルバー・プリント 26.6×40.5cm

山崎秀夫《米海軍通信隊(上瀬谷)》 1979年 鉛筆、水彩、紙 30.8×40.3cm

特別出品:ヒサクニヒコ『濱手帖 13 横浜の記憶』(P to P合同会社、2024年)より

特別出品:矢野徳《一ヶ月半前》(書籍『私の八月十五日』シリーズより)

日程

開場時間

(入場は17:30まで)

休館日
会期中無休
入場料
入場無料
会場

横浜市民ギャラリー 展示室1、B1

〒220-0031 横浜市西区宮崎町26番地1

主催
横浜市民ギャラリー(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団/西田装美株式会社 共同事業体)
協力
8・15朗読・収録プロジェクト実行委員会/株式会社今人舎大佛次郎記念館
その他
横浜・紅葉ケ丘まいらん協働事業

関連イベント

レクチャー「漫画で記憶を描きとめる~ヒサクニヒコの横浜の記憶~」

昭和26年、7歳で横浜へやってきたヒサ少年。以来、戦後の横浜の風景と、人々の暮らしを見つめてきました。ヒサクニヒコ氏の漫画には、そんな光景が生き生きと描かれています。このレクチャーでは、『濱手帖13 ヒサクニヒコの横浜の記憶』(P to P合同会社、2024年)の制作エピソードを中心にお話をうかがいます。創作の背景や思いをお聞きしながら、記憶がどのように漫画として形づくられていくのかを紐解きます
※レクチャー後、サイン会を予定しています

 

日   時:221日(土)14:0015:30

会   場:4階アトリエ

講   師:ヒサクニヒコ(ヒトコマ漫画家、イラストレーター)

対象・定員:小学生以上50名程度(応募多数の場合は抽選)

参 加 費:1,000

申 込 方 法:「大人のためのアトリエ講座 2025年度後期」ページ内の申込フォームまたは来館にてお申込みください。

申 込 締 切:24日(水)必着

ヒサクニヒコ『濱手帖 13 横浜の記憶』(P to P合同会社、2024年)より

担当学芸員によるギャラリートーク

日   時:223日(月・祝)11:0011:30

会   場:展示室1、B1

出   演:森 未祈(横浜市民ギャラリー主任学芸員)

参 加 費:無料(申込不要)

朗読とお話「戦後を生きた女性たち」

「横浜ローザ」など戦後の横浜を主題とした舞台で知られる五大路子が、戦後を生き抜いた女性たちの声を朗読します

 

日   時:228日(土)14:0014:40

会   場:展示室B1

出   演:五大路子(俳優、「横浜夢座」座長)、後藤泰観(Vn.)

参 加 費:無料(申込不要)

ハマキッズ・アートクラブ「横浜市民ギャラリーまるごと探検ツアー」

コレクション展で作品を見たり、作品収蔵庫など普段は入れないバックヤードを学芸員と一緒にめぐります。

 

日   時:31日(日)10:3011:40

会   場:横浜市民ギャラリー

講   師:伊藤ちひろ(横浜市民ギャラリー学芸員)

対象・定員:小学36年生 10名(応募多数の場合は抽選) 

参 加 費:500

申 込 方 法:「ハマキッズ・アートクラブ2025」ページ内の申込フォームまたは来館にてお申込みください。

申 込 締 切:2月10日(火)必着

昨年の様子

おしゃべりの日@コレクション展

展示室で鑑賞サポーター(ボランティア)と作品についておしゃべりしませんか?
おすすめ作品の紹介も交えながら、美術をめぐる自由な会話を楽しみましょう。

 

日   時:31日(日)10:3012:3014:3016:30 

      3月8日(日)14:00~16:00

会   場:展示室1、B1

参 加 費:無料(申込不要)

昨年の様子

ガイドツアー&ミニ講座「戦後の横浜風景 ~絵&写真で辿る伊勢佐木・日ノ出町・野毛~」

本展の出品作品を紹介しながら、横浜の歴史にふれる街歩きとスライドレクチャー

 

日   時:37日(土)9:3012:00

対   象:一般(要申込、先着順)

      ※1月中旬受付開始。申込方法等は横浜シティガイド協会ウェブサイトをご確認ください

参 加 費:1,000円 

主   催:NPO法人横浜シティガイド協会 

共   催:横浜市民ギャラリー

プロフィール

ヒサクニヒコ HISA Kunihiko
ヒトコマ漫画家、イラストレーター、乗り物愛好家、恐竜研究家。1944年、東京生まれ。1951年より横浜在住。1966年慶應義塾大学卒業。1972年文春漫画賞受賞(マンガ太平洋戦史)。2018年産経児童図書文化賞(世界恐竜発見地図)。世界や日本の歴史、地理、恐竜・野生動物などの森羅万象を、世界各地で見て歩いてきた。特にアフリカのサバンナへは20回以上も訪れている。おもな著作に、「17ひきのマングース」「人類の歴史を作った船の本」「人類の夢をかなえた飛行機の本」(子どもの未来社)、「世界恐竜発見地図」(岩崎書店)、「恐竜研究室 全3巻」(あかね書房)「世界恐竜図鑑」(新潮社)、「なるほど忍者大図鑑」(国土社)、「サファリへ行こう」(JTBパブリッシング)、ほか多数。
(2025年9月10日 更新)
五大路子 GODAI Michiko
桐朋学園に学び、早稲田小劇場から新国劇へ。NHK朝ドラ「いちばん星」でデビュー。以降、舞台TV多数出演。1996年から舞台「横浜ローザ」を演じ続け30年となる。2015年NYで上演し、NYタイムズに劇評が掲載される。1999年『横浜夢座』を旗揚げし、神奈川・横浜から演劇を発信し続けている。2024年に五大路子舞台生活50周年の記念の年を迎えた。 現在、横浜が舞台の朗読劇「真昼の夕焼けを」小中高校生に向けて公演を行っている。 これまでに横浜文化奨励賞、松尾芸能賞、長谷川伸賞、横浜文化賞、神奈川文化賞を受賞。2021年には地域文化功労者表彰を受賞する。映画に「DEATH NOTE」、「ヨコハマメリー」、著書に『Rosa 横浜ローザ、25年目の手紙』(有隣堂)がある。
(2025年12月22日 更新)
後藤泰観 GOTOH Hiromi
1989年埼玉県出身。3歳からバイオリンを始める。大谷康子氏、嶋田慶子氏に師事。15歳で旧ジャニーズ事務所に入所。エンターテイメントや音楽を多方面から学び、ソリストとしてテレビ、コンサート、ショー、演劇、朗読劇などで活躍。小劇場から大劇場、ホール、ドームでのパフォーマンスを経験。2017年に退所し更に活動の場を広げる。他にも映像、舞台の音楽制作やアレンジを担当。即興を得意とし、ステージ上を縦横無尽に踊り動き回りながら演奏するスタイルと、ジャンルに捉われない柔軟さ、対応力、確かな技術力が定評を得ている。
(2025年12月22日 更新)