※「横浜画廊散歩」2025年8月・9月号に掲載

雲ひとつなく晴れわたる青空と横浜港。夏の暑さまで感じられるような光景です。建設中の横浜ベイブリッジや、建物群など大きな人工物が遠方に描かれています。対して手前に大きく配された草花や昆虫、カモメら、小さなものたちは思わず見入ってしまうような精緻さで描かれ、生命の躍動を感じさせます。

北久美子は1945年、大阪府生まれ。浪速短期大学を卒業した1966年に二紀展に初入選、1980年に会員となり同展を中心に活動しました。1989年に文化庁買上げとなった《夢想植物園》以降、青空を背景とした色鮮やかな花鳥を中心に描きました。《1988年 夏》は一連の作品に通じる要素を備えています。

横浜市民ギャラリーでの展覧会：

1990年「横浜オデッサ美術交流展」

1992年「横浜コンスタンツァ美術交流展」