収蔵作品
ベイブリッジ 今関 一馬 いまぜき かずま
■ 技法・材料:油彩、キャンバス
■ サイズ [縦×横×奥行]:80.0 × 100.0cm
■ 作品番号:O-025
■ 分野:油彩他
※「横浜画廊散歩」2014年10月号に掲載
1926年、東京都生まれ。父は洋画家で春陽会創立委員の今関啓司(1893-1946)。1951年東京大学を中退し画業に入りました。 1955年に初個展を開催、1959年に国画会に初出品し会友推挙となります。1966年に初めてフランス・スペイン・イタリアを旅行。南仏やノルマンディーの風景に魅了され、以降何度も渡欧し同地の風景を描き続けました。 本作は1988年に横浜市民ギャラリーで開催された「横浜・上海友好都市提携15周年記念 横浜美術展・横浜百景展」のために描かれた作品です。港の見える丘公園から横浜港を見下ろした風景で、建設中のベイブリッジが大きくとらえられています。
今関が南仏をはじめとしたヨーロッパの風景を好んだ理由は、気候の穏やかさがもたらす独特な空気や風、自然の色彩の豊かさだったそうです。この作品ではベイブリッジや高速道路、臨海の倉庫群といった近代的かつ工業的なモチーフを描いているにも関わらず、ヨーロッパを描く時と同様な今関らしい明るい色彩が多用されみずみずしい印象が感じられます。
美術評論家の米倉守(1938-2008)が「今関絵画は、徹して現場主義でありながら、みた通り描くのではなく、知っている通り描いていると考えた方がわかりやすい。その絵が理想主義的な局面を色濃くもっているのもそのためであろう。」(1977年日動画廊『今関一馬展』図録より)と述べているように、自身の理想を反映させているのかもしれません。
- 横浜市民ギャラリーでの展覧会:
- 1982年「横浜上海美術交流展」
- 1987年「今関一馬自選展」
- 1988年「横浜上海美術交流展」