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※「横浜画廊散歩」2013年6月号に掲載
1910-2010年、広島県生まれ。早くから日本画を学び、1944年に横浜に転居後は、安田靫彦、小倉遊亀に師事しました。日本画の伝統的な技法を使って、身近な人や物を好んで描いた益井の作品には、古典を重んじながら、自らが生きる現代の風俗をとらえた眼差しを見ることができます。人物像においては、対象の性格までも写し出すように、持ち物や生活空間をも描き込んで表現しました。《風薫る》は、港の見える丘公園内にある大佛次郎記念館を背景に、ライラックの花を手にした女性を描いた作品です。生い茂った樹や花々、凛とした表情の女性は、穏やかで柔らかな色に彩られ、初夏の爽やかな風が吹く季節の空気感をも暗示しています。
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