収蔵作品 今月の1点

開港記念会館 ©Yokohama Civic Art Gallery

開港記念会館 柳原 良平 やなぎはら りょうへい

■ 制作年:1978年
■ 技法・材料:ポスターカラー、紙
■ サイズ [縦×横×奥行]:102.5 × 72.4cm
■ 作品番号:CA-062
■ 分野:漫画

※「横浜画廊散歩」2015年10月号に掲載

柳原は1931年東京都出身。1954年京都市立美術大学工芸科図案専攻卒業後、壽屋(現・サントリー)に入社。後に小説家となる開高健や山口瞳とともに宣伝部に勤務しました。トリスウイスキーのCMで柳原が描いたアンクルトリスが人気を呼び、毎日産業デザイン賞、電通賞等を受賞、1959年に同社を退社後は、従来より好きだった船や港をテーマにした作品・文章を数多く発表しました。 漫画家としては1962年から1966年まで読売新聞に4コマ漫画『今日も一日』を連載。1977年に横浜文化賞、1990年運輸省交通文化賞を受賞。2013年海洋立国推進功労者総理大臣表彰を受けています。

本作は1978年に、中区の大通り公園完成を記念し開催された「ヨコハマ漫画フェスティバル」に出品された作品です。描かれている開港記念会館は、1909年に横浜開港50周年記念事業として市民の寄付により1913年に着工、1917年に完成しました。1923年の関東大震災で全焼しましたが、4年後に復元されています。赤色の煉瓦と花崗岩の壁、ドームと時計塔を備えた外観が特徴的で、「ジャック」の愛称で親しまれています。県庁の「キング」、横浜税関の「クイーン」と並んで「横浜三塔」と呼ばれていますが、柳原はその中でジャックの塔が一番美しいと考えていたそうです。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1978年 「ヨコハマ漫画フェスティバル」