収蔵作品 今月の1点

飼い馴らされた小鳥(草花と種子) ©Yokohama Civic Art Gallery

飼い馴らされた小鳥(草花と種子) 長谷川 潔 はせがわ きよし

■ 制作年:1962年
■ 技法・材料:マニエール・ノワール
■ サイズ [縦×横×奥行]:39.0 × 28.2cm
■ 作品番号:PR-219
■ 分野:版画

※「横浜画廊散歩」2013年5月号に掲載

1891-1980年、横浜市生まれ。1918年に渡仏し、生涯の大半をフランスで過ごしました。近代銅版画の巨匠と称される長谷川は、銅版画による様々な技法を用いた作品を制作しています。《飼い馴らされた小鳥(草花と種子)》は、渡仏後に独学で研究を重ねたメゾチント、フランスではマニエール・ノワール(=黒の技法)と呼ばれる技法を用いて制作された静物画です。柔らかな質感を帯びた黒の空間に、白く浮かびあがるように、小鳥や草花、球体が幾何学に配置されています。長谷川は、この作品に描かれているような身近なモチーフによって、精神・自然・宇宙といった根源なテーマを表現しました。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1979年「長谷川潔版画展」