「コレクション展2024 版をうつす」関連イベントレポート

2024.3.7

毎年1回開催している横浜市民ギャラリーコレクション展。今年は「版をうつす」と題し、版画作品を特集し展示しています。

展覧会にあわせ、3月3日(日)におこなった二つの関連イベントの様子をご紹介します。

 

1. ハマキッズ・アートクラブ「横浜市民ギャラリーまるごと探検ツアー」

横浜市民ギャラリーの施設の表裏を探検し、あわせてコレクション展もちょっぴり鑑賞する、子どものための特別なツアーです。今年は小学4~6年生を対象に開催し、8名の子どもたちが参加してくれました。

 

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コレクション展2023「描きたい風景」 鑑賞サポーターによるイベントレポート

2023.3.13

横浜市民ギャラリーコレクション展2023 では、ボランティアの鑑賞サポーターが活躍しました。この記事では、会期中に実施したイベント「おしゃべりステーション@コレクション展」の様子をレポートします。

(展覧会前の事前研修の様子は、前回のブログ記事をご覧ください。)

 

近年コレクション展では、関連イベントとして「鑑賞サポーターによるギャラリートーク」をおこなってきましたが、今年は鑑賞サポーターが作品についてお話しするだけでなく、来場したお客様と自由な会話のキャッチボールをすることで、一緒に作品鑑賞を楽しむイベント「おしゃべりステーション@コレクション展」を初開催しました。


 

「横浜市民ギャラリーコレクション展2023 描きたい風景」関連イベント

〈おしゃべりステーション@コレクション展〉

日時:2023年2月26日(日)、3月4日(土)各日13:30~15:30
会場:1階展示室前スペース、展示室1・B1
参加無料、申込不要

当日は、展覧会入口前の机が「ステーション」に。出品作家の画集を座って眺めたり、気に入った作品を選んでコメントカードを書いたりするスペースです。展示を見終わった後、休憩しながら展覧会を振り返り、作品鑑賞の幅を少し広げることができる場となりました。

コメントカードの書き方は自由。好きな作品のシールを貼ります。

カードは会期中掲出し、来場者にご覧いただきました。ほかの人のコメントを読むのも楽しい!

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コレクション展2023「描きたい風景」鑑賞サポーターの研修レポート

2023.2.21

今回は「横浜市民ギャラリーコレクション展2023 描きたい風景」に関連して、鑑賞サポーターの研修の様子をレポートします。

 

鑑賞サポーターは、コレクション展の魅力を伝えるボランティアとして、2017年より毎年参加者を募り、作家や作品について調べたことを来場者の皆さんに紹介する活動等を行っています。

 

今年度の活動内容は2つです。
(1) 作品紹介シートの執筆
(2) 「おしゃべりステーション@コレクション展」の計画・実施
1月~2月に行う4回の研修で準備をすすめ、展覧会をむかえます。

 

■作品紹介シートの執筆
学芸員から今年のコレクション展概要の説明を受け、作品リストや作家資料もみながら、紹介したい作品を決めます。その後、執筆した文章を鑑賞サポーター内で読み合い、意見交換をしたり、修正を加えたりして完成を目指します。各鑑賞サポーターならではの視点が、作品を鑑賞する際のちょっとしたきっかけになるかもしれません。
完成した作品紹介シートは、会期中来場されるみなさまにお配りしますので、鑑賞のお供にぜひご活用ください。
また、「おしゃべりステーション@コレクション展」開催時は、鑑賞サポーターがオススメ作品の前でコンパクトに作品を紹介しますので、こちらもどうぞお楽しみに!

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コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(15)

2020.3.15

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログも最終回の第15回となりました。
本日までご覧いただき、ありがとうございます
最終回では、出品作家の西村建子氏・林敬二氏のインタビューをご紹介します。

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■作家インタビュー1 西村建子氏


西村建子氏(2019年12月23日 横浜市民ギャラリーにて)


西村建子氏は1940年、栃木県生まれ。会社員の傍ら写真を撮るようになり、写真家の浜口タカシ氏(1931‐2018)が主宰する日本写真映像学院で学び、その後浜口氏の事務所を手伝いながら撮影を続けてきました。「大好き」と語る横浜を中心に写真を発表しています。インタビューでは1980年代におこなった中国残留孤児の撮影の話や、写真への思いをお話ししていただきました。


※インタビュー動画はこちらからご覧いただけます。


西村建子《横浜港》1988年 カラー・プリント 36.5×54.5cm



■作家インタビュー2 林敬二氏


林敬二氏(2020年1月8日 林敬二氏アトリエにて)


林敬二氏は1933年、横浜市生まれ。東京藝術大学卒業。横浜の港の空気を感じながら育った林氏は藝大の助手時代にイタリアに留学、その後豊かな色彩のもと人物と抽象性の高い表現を組み合わせる共通点を持ちながらも画風を幾度も変遷させ、一貫して浮遊感を感じさせる作品を発表してきました。インタビューの中では《横浜港》の制作背景や作品に通底する要素を語ってくださっています。


※インタビュー動画はこちらからご覧いただけます。


林敬二《横浜港》1988年 油彩、キャンバス 91.0×116.0cm


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■トピックス ― インタビューアーカイブ

横浜市民ギャラリーでは、2014年度より企画展にあわせ当館にゆかりのある方々のインタビューをおこなっています。
貴重なお話をお楽しみください。→インタビューアーカイブ

コレクション展は来年も3月に開催予定です。

今年度会場で配布予定でした小冊子もご希望の方にお分けできますので、事務室でお声かけください(2020年3月31日(火)までは閉館です)。


コレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」(14)

2020.3.14

横浜市民ギャラリーコレクション展2020「うつし、描かれた港と水辺」の魅力をお届けするブログ第14回です。
(3月15日(日)まで毎日更新)

本日は3月8日のブログ(8)に続き、鑑賞サポーターによる「作品に描かれたスポット紹介 後編」 をお届けします。

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■ 鑑賞サポーターによる「作品に描かれたスポット紹介」後編

コレクション展で作品とお客様をつなぐ役割をしている鑑賞サポーター(ボランティア)が、「うつし、描かれた港と水辺」展の作品のなかに登場する横浜のスポット紹介を執筆しました!どうぞご覧ください。
※スポット紹介前編(1.横浜赤レンガ倉庫~3.横浜税関)や鑑賞サポーターの活動概要については、3月8日のブログに掲載しています。





4. 山下公園

バラ園がきれいな山下公園 撮影:鑑賞サポーター

山下公園は関東大震災で発生した瓦礫の埋め立て地を整備して、1930年に開園した国内初の臨海公園です。戦後15年間米軍に接収されますが、その後の横浜マリンタワーの建築や日本郵船氷川丸の係留、「未来のバラ園」造園などの再整備により、公園界隈は横浜屈指の観光地として賑わっています。大さん橋から山下ふ頭に至る全長800mの海辺のプロムナードには、在日インド人協会寄贈の「インド水塔」、「赤い靴はいてた女の子像」、サンディエゴ市寄贈の「水の守護神」など、海外との交流を感じさせる記念碑も点在し、見所となっています。

[サポーターおすすめポイント!]
本展出品作の石踊紘一《インド追想》に描かれているインド水塔をぜひ訪れてみては?


5. 横浜ベイブリッジ

間近に臨む横浜ベイブリッジ  撮影:鑑賞サポーター

1960年代、横浜港はコンテナ船の時代を迎え道路渋滞が激しくなりました。その緩和のため、横浜ベイブリッジは1980年に着工、1989年9月27日に開通しました。本牧ふ頭と大黒ふ頭を結ぶ全長860mの斜張橋(吊り橋)は、世界最大級です。主塔を2基建て、ケーブルを張り橋桁を支えています。本展出品作には建設中の写真や絵が数点あり、横浜ベイブリッジが横浜の新たな開発の発端となったことがうかがえます。日没後はライトアップされ、横浜港の夜景を演出しています。21世紀への現代的な歩みを象徴する軽やかで優美な、未来へ向けての橋といえるでしょう。

[サポーターおすすめポイント!]
本展出品作は1988年の横浜百景展にあわせて制作されたので、ベイブリッジは建設中です。


6. 大黒大橋

現在は白い大黒大橋 撮影:鑑賞サポーター

山下公園付近からの大黒大橋(画面中央あたり) 撮影:鑑賞サポーター

鶴見区大黒町と横浜港の一大物流拠点である大黒ふ頭を結ぶ大黒大橋は、1971年から3年かけて建設されました。現在は白い斜張橋ですが、当初は朱色に塗装されており、本展出品作にもその姿が描かれています。歩道もあるため、1980年代には釣り人も見られましたが、現在は横浜港やみなとみらい21とともに富士山を眺める絶景スポットとして人気があり、その眺望は関東の富士見百景に選定されました。隣接する横浜ベイブリッジや鶴見つばさ橋より認知度は低いですが、歩いて渡れば、その振動と海を見下ろす恐怖感を味わえる稀有な橋といえるでしょう。

[サポーターおすすめポイント!]
大黒大橋からの港風景を体感した後、反対岸から風景の中にこの橋を見るのもおすすめ!


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■ きょうの1点 mini

林 敬二(1933年生まれ)

《横浜港》1988年 油彩、キャンバス 91.0×116.0cm

今回の展覧会のメインビジュアルにもなっている本作には、建設中の横浜ベイブリッジと、その左手に朱色の大黒大橋(現在は上の写真のように白色)が小さいながらもしっかりと描かれています。
この作品は1988年の「横浜百景展」のために制作されました。林は当時、横浜駅の待合室の一番海側からの風景が気に入り、写真を撮って忠実にこの絵を描いたそうです。3月5日のブログ(5)でご紹介した小野肇≪横浜駅と港を望む≫は、同時期に横浜駅付近から撮影されており、林の作品に描かれた風景と見比べてみるとおもしろいです。

今回の展覧会にあわせて収録した、林敬二インタビュー映像もぜひご覧ください
インタビューアーカイブ

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明日はいよいよコレクション展ブログ最終回。どうぞ最後までおつきあいください!
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