「日本の美・和菓子で表す秋」開催レポート

2016.11.22

去年は春に開催した人気の講座です。今回も創業140年横浜の名店「和菓子しげた」の重田親人さんを講師にお迎えして、白玉入り汁粉と季節の練り切りで「もみじ」を作りました。

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まずは白玉入り汁粉作りから。白玉粉と砂糖に水を同量加えて練ります。生地がまとまったら、少しずつ取って丸めます。

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丸めた団子を沸騰したお湯に入れます。沈んだ団子が浮いてきたら1分間煮ます。それを冷たい水にとって冷まします。 白玉団子が冷めるまでの間に、先生がこし餡作りを見せてくださいました。年期の入った大きな銅のボールに呉(ご)と砂糖と水を入れて煮詰めて行きます。

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呉とは小豆の皮を取りのぞいたものです。昔は、煮た小豆をザルに取って熱いうちに上から手でこすって中身だけ下に押し出していたので職人さんも大変だったようです。今は熱い作業は機械で出来るようになったそうです。

こし餡が出来たところで、餡子と小豆4種類を食べ比べることになりました。こし餡、塩入りのこし餡、大粒の煮小豆、小粒の煮小豆を先生が用意してくださいました。好みでブレンドしながら白玉といっしょに食べるとオリジナル汁粉になります。ちなみにお汁粉か善哉(ぜんざい)か?2つの言い方がありますが、調べてみると諸説あってこれとは言い切れないそうです。

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おいしいお汁粉をいただいてから、もうひとがんばり。次は練り切りで「もみじ」を作るのに挑戦です。先生のデモンストレーションは手際よく出来上がっていきます。みなさん手品でも見るかのように真剣に見入っていました。

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「もみじ」を作るので餡の色はオレンジ色と黄色に刺し色で黄緑色がすこし。中身はふつうの小豆色です。

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オレンジ色と黄色の餡をそれぞれ丸めたのを1つにします。色の境目はぼかすのですが、これがむずかしい作業で苦戦している方もいらっしゃいました。こんどはそれを平らにして中身の餡を包みます。

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形を整えてからいよいよもみじの葉の切り込みをつけます。専用の木べらを使って下からぐっと押しつけて3か所切り込みをいれると「もみじ」の葉の形に見えてきます。葉の先を尖らせ細かいギザギザをつけ黄色の部分に刺し色で黄緑の餡をなじませると完成です!

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一人3個作ったので、だんだん上手にできるようになっていました。お家に持って帰ってゆっくり鑑賞して、おいしく召し上がっていただけたのではないでしょうか?

白玉団子作りは楽しく、思ったより簡単にできます。今回は「しげた」特性のおいしい餡を使いましたが家庭では市販の餡子を使ってチャレンジしてもいいかもしれません。和菓子と餡子の奥深さに触れる一日となりました。