収蔵作品 今月の1点

山王橋 ©Yokohama Civic Art Gallery

山王橋 志村 計介 しむら けいすけ

■ 制作年:1979年
■ 技法・材料:ボールペン、パステル、紙
■ サイズ [縦×横×奥行]:19.5 × 24.0cm
■ 作品番号:WD-064
■ 分野:水彩・素描

※「横浜画廊散歩」2018年12月号に掲載

志村は横浜市生まれ。1925年頃、旧制第二高等学校在学時より洋画家・川村信雄の画塾に1年間通い、その後川端画学校、太平洋画会研究所に学びました。1932年に第2回独立展に初出品、初入選。横浜美術協会にも出品を重ねます。1941年に日曜洋画研究所を開設。1979年には横浜文化賞を受賞、紺綬褒章を受章しています。

志村は風景や卓上静物をよく描きました。本作品は1979年の「横浜百景展」(横浜市民ギャラリー)の出品作です。1923年に発生した関東大震災で崩壊、その後再建された橋のことを「震災復興橋梁」と呼びますが、大岡川に架かる山王橋もその一つです。1927年につくられ、京急線の南太田駅近くに現存しています。本作は駅を背に山王橋の全体を真横から捉えた構図です。奥に見える男女共同参画センターのレンガ色の建物を始め、いくつかの建造物が水面に映っています。ボールペンによる即興的な筆致がリズムを感じさせます。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1977年 「志村計介40年展」
1979年 「横浜百景展」