収蔵作品 今月の1点

大倉山梅林 ©Yokohama Civic Art Gallery

大倉山梅林 添田 定夫 そえだ さだお

■ 制作年:1979年
■ 技法・材料:水彩、パステル、紙
■ サイズ [縦×横×奥行]:31.5 × 38.8cm
■ 作品番号:WD-072
■ 分野:水彩・素描

※「横浜画廊散歩」2018年3月号に掲載

添田は1916年に神奈川県中郡伊勢原町(現・伊勢原市)生まれ。奈珂中学校(現・県立秦野高等学校)時代より絵を描き始め、1936年には横展(現・ハマ展)に初入選しています。1937年に神奈川県師範学校を卒業後、短期入隊。除隊後小学校に勤務し、以後教職の傍ら制作しました。1941年に独立展に初入選、1942年に横展会員となります。1955年には創元展、日展に初入選、この頃より横浜の教会を描くようになりました。教会に魅せられた添田は国内外の教会を描いた作品を多く残しています。1992年創元会理事。2009年逝去。

本作は1979年に横浜市民ギャラリーで開催した〈横浜百景展〉に出品するために制作されました。大倉山梅林は1931年に開園、東京の富者の別荘の庭にあった梅を移植したのが始まりと言われています。第二次世界大戦中は一時荒廃しましたが、1989年再整備され大倉山公園の一部として開園。現在もおよそ200本の梅が植えられています。添田は向かい合うように並ぶ2本の木を中央に、その花が満開の様をうつしとっています。枝の間からのぞく空の色はまだ寒さを感じさせ、早春の清涼な雰囲気に満ちた作品です。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1979年 「横浜百景展」
1988年 「横浜市美術展・横浜百景」
1990年 「横浜オデッサ美術交流展」