©Yokohama Civic Art Gallery

田中 岑 たなか たかし
《窓外風景 夜》

1988年
油彩、キャンバス

※「横浜画廊散歩」2017年8月号に掲載

田中は1921年、香川県生まれ。1939年東京美術学校油画科予科に入学しますが、海老原喜之助の勧めで日本大学芸術学科に転入します。従軍・除隊を経て1947年に再度上京、東京・高輪台の正源寺内の一室に居を構え、隣室の舞踏家・土方巽と交友し文学にも傾倒しました。戦前は独立展、戦後は自由美術家協会、春陽会等を中心に作品を発表し、1957年第1回安井賞、1986年第15回川崎市文化賞を受賞。神奈川県立近代美術館喫茶室や香川県立観音寺第一高等学校等に壁画も制作しました。

1950年代から国内で評価されていた田中ですが、1960年から約1年間渡欧、木村忠太や藤田嗣治らと交流し、印象派の作品から影響を受けます。そして帰国後に独自の表現方法を探究、明瞭な色彩と筆致で光を描く画風を確立させました。本作はキャンバスの枠線を窓に見立て、そこから覗くベランダと海を描いています。ホテルニューグランドからの風景でしょうか。港や水平線に沿って街の灯りが煌めき、夜空を明るく照らしています。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1988年「横浜上海美術交流展」
1990年「横浜オデッサ美術交流展」

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