©Yokohama Civic Art Gallery

田島奈須美 たじま なすび
《浜ッ子》

1988年
紙本着彩

2016年6月号に掲載

田島奈須美は1943年、横浜に生まれました。1965年伊藤万耀(1921-1970、伊東深水の次男)に師事、同年第8回新日展に初入選し、以降入選を重ねます。1969年改組第1回日展で特選となり白寿賞を受賞、1972年には橋本明治(1904-1991)に師事。1981年に日展会員となり、1995~97年には『オール讀物』(文藝春秋)の表紙絵と目次カットを手掛けました。1999年紺綬褒章を受章、近年は日展・日春展の審査員をつとめています。

田島は花等の静物や風景、猫や犬などの動物等の身近な題材に加え、本作のような女性像もよく手掛けています。実在の人物をモデルにすることが多いといい、本作に描かれているのは自身の姪です。人物を描く際には身に着ける洋服にも気を配っており、本作でも肩で結んだ黒を基調としたスカーフが白いワンピースと好対照を成し、互いを引き立てています。取材のため山下公園を何度か訪れたそうで、背景に描かれた海面と工場地帯が横浜らしさをあらわす一方、洋服と同様グレートーンで押えられた色調が女性のまっすぐ前を見つめる表情とあいまって、独特な静かな雰囲気を演出しています。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1990年 横浜・オデッサ姉妹都市提携25周年記念・横浜美術展

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