©Yokohama Civic Art Gallery

緑川廣太郎 みどりかわ ひろたろう
《水門》

1967年
油彩、キャンバス

※「横浜画廊散歩」2017年4月号に掲載

緑川は、1904年横浜市生まれ。間もなく東京市浅草区(現在の台東区)に移り少年期を過ごしました。生家は染織研究所で、多くの絵師を抱えていたため、緑川も幼い頃から絵に親しんでいきました。1917年、明治中学校在学中に本郷洋画研究所に通い、中学校を中退。生後すぐに亡くなった母に続き父も1922年に病没し、孤独から頻繁に旅をするようになります。1924年以降世田谷区に居を構え、1933年、近所に住んでいた小島善太郎の影響で独立美術協会第3回展に《風景》を初出品、初入選します。

独立展を中心に活躍した緑川は、海老原喜之助や須田国太郎の影響を受けながらも、次第にモチーフを単純化・平面化し再構成し、マチエールを残す自身の画風を確立させました。本作には画面いっぱいに水門がとらえられています。水をせき止めるゲートが明るい灰色の面だとすると、支柱であろう黒の面との位置関係から、本来川の中に立たなければ得られない視点ですが、水は描かれていません。よく練られた構図と抑制された色彩が、静謐で重厚な印象を与えています。1983年歿。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1989年「緑川廣太郎回顧展」
1993年「横浜サンディエゴ美術交流展」

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