suibi調整 ©Yokohama Civic Art Gallery

江見絹子 えみ きぬこ
《水尾》

1974年
油彩、キャンバス

※2015年3月号に掲載

1923年兵庫県明石市生まれ。1940年に兵庫県加古川高等女学校卒業後、翌年から1943年まで洋画家・伊川寛に個人教授を受けた後、1945年から1949年まで兵庫県立洋画研究所に学びました。1949年第4回行動展に初入選、1951年に同会会友推挙、同年より横浜に住み始めました。1952年に第6回女流美術家協会展に出品、同会会員推挙。翌1953年に渡米、1954年にはパリに渡り両国で個展を開催しています。

1955年の帰国後に具象から抽象へと表現が一変します。その背景にはラスコーとアルタミラの洞窟で先史時代の壁画を見た体験があるといいます。以降「水、火、土、風の四大元素が私の主要なモチーフを形成してきた。」(1980年『現代美術家大百科』茨城美術新聞社)と、色彩と形象を追求しました。

本作は「みずのお」と読みます。「1967年から1974年は苦しい試行錯誤の時期であった」(2004年「江見絹子展」神奈川県立近代美術館)といい、その最終年の作品です。近く完成する独自の画法―絵具を塗った上からテレピン油を流し、絵具層を溶かすことでマチエールをつくる―の片鱗が見えます。原色が画面中央で交じり合い、躍動感ある明るい印象です。

1962年ヴェネツィア・ビエンナーレ出品(日本女性初)、1991年横浜文化賞受賞。2015年1月逝去。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1996年 「江見絹子自選展」

収蔵作品一覧へ戻る